2012 Fiscal Year Annual Research Report
紫黒米の調理・加工過程におけるアントシアニン成分とその機能性の挙動に関する研究
Project/Area Number |
22700737
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
近藤 美樹 徳島文理大学, 人間生活学部, 准教授 (80326412)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 紫黒米 / アントシアニン / プロトカテキュ酸 / 抗酸化性 |
Research Abstract |
機能性成分のアントシアニンを豊富に含む紫黒米を用いた加工食品は機能性食品として利用が期待されるが、調理・加工による機能性の変化はよく理解されていない。そこで、小麦粉の一部を紫黒米粉に置換した食パンを作成し、アントシアニンが関与する機能に着目して紫黒米粉食パンの機能性食品としての有効性の検討を目的とした。 本年度は、紫黒米に含まれる主要アントシアニンの(C3G)ならびに加熱調理後に生成するC3Gの分解産物であるPCA(プロトカテキュ酸)の抗酸化性と抗アレルギー効果について、生体における効果の検証を行った。 抗酸化性の検討は、ICRマウスにC3GおよびPCAを投与後に一定時間ごとに血液を採取して、ORAC法により抗酸化能を測定した。PCAを投与したマウスでは、同モル濃度のC3Gでは認められなかったORAC値の上昇が観察された。従って、PCAの経口摂取は抗酸化性を発揮し、その効果はC3Gよりも高いことが明らかになった。次いで、抗アレルギー効果はマウス耳介急性受動皮膚アナフィラキシー反応を利用して、抗原刺激前にPCAもしくはC3Gを経口投与した際の反応抑制効果を検討した。C3GとPCAを同モル濃度で投与した場合、C3Gの方がPCAよりも阻害率が高いが、PCAにも抑制効果を認めた。 以上の結果から、紫黒米に含まれるC3Gの多くは加熱を伴う調理・加工過程でPCAに分解されるが、調理・加工後の機能性の本体であるPCAは、生体でより高い抗酸化作用を示すことが明らかになった。加えて、C3Gよりは劣るが、抗アレルギー効果も有することを認めた。本研究の成果は、紫黒米を調理・加工してC3Gを加熱分解してPCAとして摂取することで、特に抗酸化性に関しては効率的な機能の利用を可能とし、紫黒米利用食品は機能性食品としてその効果が期待できることを示すものである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)