2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700743
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
山田 和 中部大学, 応用生物学部, 助手 (60367638)
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Keywords | ゴマ / ゴマリグナン / ビタミンE / 調理 / 抗酸化 |
Research Abstract |
本年度は微生物による発酵作用がある生味噌をゴマに加えることによるゴマリグナン量の変動を調べるとともに、その変動がラット組織のビタミン濃度に及ぼす影響について検討を行った。 <具体的内容> 1)粉砕した洗いゴマと生味噌を1対1の重量比で混合したものを試料とした。試料を4℃、20℃、37℃にて、各々1,3,7,14日間保存し、保存温度,日数がゴマリグナン含量(セサミノール,セサミノール配糖体,セサミン,セサモリン)に及ぼす影響をHPLC法で測定した。 2)生味噌と混合したゴマのゴマリグナン量の変動が肝臓,脳,腎臓のVE濃度に及ぼす影響をWistarラットを用い(6W,n=6,雄性)調べた。AIN-93G組成飼料(通常食)、生味噌凍結乾燥粉末を10%添加した飼料(味噌食)、味噌食に10%のゴマ凍結乾燥粉末を添加した飼料(ゴマ味噌食)、ゴマと味噌を混合し37℃、7日間保存後、凍結乾燥粉末化したものを10%添加した飼料(ゴマ味噌保存食)を10日間自由摂取後、各臓器を採取し、摩砕・けん化後、ヘキサン抽出し、VE濃度をHPLC法で測定した。 <結果> 1)ゴマリグナンの内セサミノール配糖体が日数経過と共に70~20%減少し,その減少は温度が高くなるほど大であった。一方、セサミノールは保存日数とともに増加し、これは37℃に保存した場合、顕著であった。 2)各臓器中VE濃度は、ゴマを含むゴマ味噌食とゴマ味噌保存食で通常食,味噌食と比較して高かったが、ゴマ味噌食とゴマ味噌保存食の間に差はみられなかった。 <意義、重要性>例えば「味噌で和える」という日常生活で用いる調理法で食品の機能性成分が変動することを明らかにし、本研究結果では差はでなかったものの、その変動による食品の機能性について動物実験レベルで検討したことは、人々が実生活を行う上で必要とされていることであり重要な知見となるだろう。
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