2011 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚における共役リノレン酸の機能開発とメカニズム解明
Project/Area Number |
22700751
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
及川 大地 長崎大学, 教育学部, 准教授 (90571216)
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Keywords | 共役脂肪酸 / 共役リノレン酸 / 皮下脂肪 / 坑肥満 |
Research Abstract |
共役リノレン酸摂取による皮下脂肪抑制の検証およびメカニズム解明 リノール酸高含有サフラワー油をアルカリ異性化することにより、共役リノール酸(CLA)を合成し、この手法を応用して、γ-リノレン酸油から共役γ-リノレン酸油を作製した。本油脂の皮膚への効果を評価するため、ラットを用いて皮膚脂質代謝への影響を検証した。 3週齢SD系雄ラット24匹を単飼ケージに入れ、1週間予備飼育後、AIN-93Gの一部を高リノール酸サフラワー油(LA群)、γ-リノレン酸油(GLA群)、共役リノール酸油(CLA群)および共役γ-リノレン酸油(CGLA群)にそれぞれ代替した餌を4週間自由摂取させた。飼育終了後、背部の皮膚を採取し、液体窒素にて瞬間凍結した後-80℃で保存した。皮膚はFolch法にて脂質を抽出し、生化学的手法によりトリアシルグリセロール、総コレステロール、遊離脂肪酸および遊離コレステロール量をそれぞれ測定した。 LA群、GLA群、CLA群およびCGLA群を一元配置の分散分析にて比較すると有意差は確認できず、トリアシルグリセロール量(p=0.48)、総コレステロール(p=0.98)、遊離脂肪酸(p=0.75)および遊離コレステロール量(p=0.37)という結果となった。 これらの結果から、本研究で用いた共役γ-リノレン酸油は皮下脂肪抑制効果を示さなかった。ただし、LA群とCLA群とを比較するとCLA群においても減少傾向が確認されなかったことから、CLAへの感受性が低いラットを用いたことがCGLA群においても顕著な変化を及ぼさなかった要因であることを示唆した。今後、ラットに加えてラットより共役脂肪酸への感受性が高いマウスも用いて検証したいと考えている。
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