Research Abstract |
個人の食事内容をカメラ付き携帯電話等で撮影し,インターネット経由でその内容を分析し,栄養指導に役立てる試みがなされ始めたが,そのデータを栄養指導以外に活用する試みはなされておらず,社会文化的背景や世代間により,共通性,相違性があると考えられる.そこで,調査票による食生活調査を含め,撮影された食事内容の世代間比較を行うとともに,社会文化的背景の類似している東アジア,異なる欧米諸国で比較分析を行うこととした.本年度は2008年度に行った20歳以上の3大学,1高等専門学校の学生104名に行った調査結果を解析した.食事内容の分析結果,身体測定,質問紙による食生活調査結果を集計し,食事内容と身体的状況,自己評価による食生活状況を分析した結果,身長,体重,BMI,骨密度,便通,朝食の摂取頻度,包丁や鍋の利用頻度と有意な正の相関を示す栄養素,食品群が多く,睡眠時間の長さと負の相関を示す栄養素,食品群が比較的多かった.また,平日5日間の食事内容をテキストマイニングソフトで分析した結果,今回の調査協力者においては,食品はにんじん,たまねぎ,卵,キャベツ,豚肉,料理は,ご飯,みそ汁,サラダの出現頻度が高かったが,5日間の分析で全調査協力者が1回以上共通して食したものは存在しなかった.男性は唐揚げ,コロッケなどの肉や油を多用した料理,女性は煮物,妙め物などの比較的あっさりした料理の出現頻度が高かった.異文化間比較を行うためにこれまでの韓国,オーストリアで実施した調査結果並びに上記調査結果を基に調査項目,調査内容を精選するとともに再調査並びに海外調査にむけての打ち合わせ,調査用紙のドイツ語,英語への翻訳などを行った.
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