2011 Fiscal Year Annual Research Report
食物アレルギー発症とFcRnの関連~ノックアウトマウスを用いた形態学的解析~
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22700770
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
馬場 良子 産業医科大学, 医学部, 講師 (90271436)
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Keywords | 食物アレルギー / FcRn / 空腸 / 吸収上皮細胞 / トランスサイトーシス |
Research Abstract |
平成22年度は正常なマウスを用いて、小腸および吸収上皮細胞の形態と、高分子輸送システムおよびその時期的変化に関する検索を行った。その結果、小腸の部位によって、また、週齢および食性よって、吸収上皮細胞の形態と高分子輸送システムが変化することが明らかになった。また、それらの変化は同じ齧歯類であるラットとほぼ同じであることも確認された。このことから、これまでにラットを用いて得られてきた食物アレルギーに関する実験データがマウスにおいても成立すると考える。 それらの結果を踏まえて、平成23年度はFcRnノックアウトマウスを購入し、正常マウスとの比較を行う予定であった。しかし、ノックアウトマウスの準備、受入れ手続き等が予想以上に滞り、年度内に動物を入手することが出来なかった。そこで、これまでの研究結果を基に、管腔側からの高分子輸送システムが最も発達している乳飲期と、管腔側からの高分子輸送システムが存在しない成熟期において、マイクロアレイを用いて、小腸粘膜に発現する遺伝子について解析を行った。また、これまでの研究より、小腸の近位部と遠位部では高分子輸送システムに差異があることが分かっているため、小腸を近位部と遠位部に分け、それぞれの粘膜に発現する遺伝子についても、同様にマイクロアレイを用いて解析を行った。その結果、時期および部位によって、小腸粘膜に発現する遺伝子に大きな差異があることが明らかになった。これらの結果の詳細については、現在、解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していたFcRnノックアウトマウスの購入は出来ていないものの、マイクロアレイを行うことで、遺伝子発現に関する情報を得ることが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
・マイクロアレイで得られたデータの解析を進める。 ・FcRnノックアウトマウスを購入するための手続き、動物センターへの動物の受入れ準備を進める。
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