2011 Fiscal Year Annual Research Report
親による子どもの頃の家庭での食育が若年成人の朝食欠食に及ぼす効果
Project/Area Number |
22700779
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
中出 麻紀子 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 栄養疫学研究部, 研究員 (80508185)
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Keywords | 朝食欠食 / 若年成人 / 食教育 / 家庭 |
Research Abstract |
本研究では大学生とその親を対象に大規模アンケート調査を実施し、大学生の意識・生活習慣及び大学生を取り巻く環境を含む様々な側面から朝食欠食の原因を探ること、また、大学生が子どもの頃の親による食育実施状況についても調査し、子どもの頃の食育が大学生の朝食欠食を防止し得るのかについても検討を行うことを目的とした。本年度は昨年度回収した神奈川県の大学、東京都の大学及び北海道の大学のデータ入力を完了し、データクリーニングの後、全大学のデータを結合した。最終的な調査票の回収人数及び回収率は、大学生800名(回収率93.0%)、大学生の保護者468名(回収率54.4%)であった。大学生の朝食欠食と関連する要因及び親による食育実施との関連について男女別に検討を行った結果、朝食欠食者は男女共に一人暮らしの人に多かった。また、女子学生の朝食欠食者では、喫煙習慣者、1時以降の就寝、朝食を欠食しても良いと考える人、夕食から就寝までの間に間食をする人、母親が朝食欠食する人が多く、アルバイト従事者、昼食から夕食までの間に間食をする人、母親の最終学歴が短大・専門学校以上、母親がパート勤務の人には朝食欠食者が少なかった。さらに、子どもの頃に親が食べ物の栄養的価値について子どもと話し合ったり、健康的な食べ物を楽しんで食べるところを見せていた人では朝食欠食者が少なかった。以上の結果から、大学生の朝食欠食には不健康な生活習慣や意識、母親の朝食欠食習慣が関連しており、母親による子どもの頃の食育は、朝食欠食を防止し得る要因であることが示唆された(現在投稿準備中)。若年成人に対する朝食欠食防止対策が確立されていない現在、本研究は大学生の朝食欠食と関わる要因を親の要因も含めた多側面から探るという国内、国外においても全く新しい試みであり、若年成人における朝食欠食の要因、及び朝食欠食者を減少させるための食教育について、重要な結果が得られたと考えられる。
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Research Products
(1 results)