2011 Fiscal Year Annual Research Report
研究者自ら科学映像コンテンツを制作できるワークフロー開発のための研究
Project/Area Number |
22700782
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
早岡 英介 北海道大学, 高等教育推進機構, 特任講師 (10538284)
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Keywords | 科学コミュニケーション / 映像メディア / 映像制作ワークフロー / アウトリーチ / 科学技術コミュニケーション / マルチメディア / 映像制作 / 情報発信 |
Research Abstract |
本研究の目的は、映像制作に関する知識をもたない、研究者や科学技術コミュニケーター自らが、研究内容等を分かりやすく効果的に映像表現し、社会に発信できる手法の開発であった。具体的には約3分の動画作品を、1日で制作できるワークフローの構築を目指した。 まず映像メディアが科学技術コミュニケーションに果たす役割として、「資料的価値」「プレゼンテーション効果」「教育的効果」の3つに整理した。その上で、プロの現場で用いられてきた映像制作ワークフローをもとに、研究機関や個人に適したワークフローを考案した。 今回は3つのシークエンスからなる映像構成とした。シークエンス(1)は研究内容を制作者自ら語るパート。シークエンス(2)は、既に持っている写真や映像資料から研究内容を紹介するパート。シークエンス(3)は、研究の社会的意義を語るパートとした(事前課題としてプレゼン原稿と、写真等映像資料の準備を課した)。 このワークフローを北海道大学の大学院共通科目(履修者9名)と、映像ワークショップ(参加者18名)において試行し、それぞれ動画作品を制作した。そしてこれらの実践から、撮影機材や編集機材の選び方や、音声収録や編集の難しさといった課題が浮かび上がった。またこのワークフローでどのような効果が得られるのかを、以下4点にまとめた。 1)わずか1日で動画作品を作ることができる。 2)映像素材がもつ資料的価値をさらに高められる。 3)直感的に理解でき、プレゼンテーション効果が高いコンテンツを作成できる。 4)文章力や、撮影・編集技術といった表現スキルを高めるほか、創造性、コミュニケーション能力、メディアリテラシーを高める教育的効果がある。 このワークフローが適切に活用されれば、研究者の中に眠っている表現欲求を掘り起こすとともに、アウトプットされた動画作品が、科学技術コミュニケーションをコンテンツの側面から活性化すると考えられる。
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Research Products
(3 results)