2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700786
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
伊藤 大輔 横浜国立大学, 工学研究院, 特別研究教員 (90436759)
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Keywords | リカレント教育 / 実験教育 / 技術者教育 / 腐食防食工学 / 産業教育 |
Research Abstract |
本研究は、理工系産業人・技術者に対する即効性実験教育教材の開発及びその実施による教育効果の検証を目的とする。本年度は、これまでに開発した腐食防食教育プログラムを実施し、教育効果の検証を行った。また、前年の実施先へ教育効果の事後聞き取り調査を行った。さらに、国内および海外で行われている技術者教育現状調査を行った。以下に、成果を述べる。 (D腐食防食教育プログラムの実施および教育効果の検証 開発した教育プログラムおよび実験教材を、民間企業技術者向け出張講座を行い、それぞれの対象者の教育効果、その必要・妥当性を詳細に検証した。その結果、現場で生じている腐食事例を、教育プログラムの導入部に組み入れることで、教育効果を高められることがわかった。 (2)実験教育実施後の聞き取り調査 実験教育を実施後1年経過した技術者を対象として、教育内容がどの程度現場で活かされているか否かを調査した。その結果、腐食に対して、現場において共通の認識が持てるようになり、また、腐食の危険性も以前より注意する傾向が強くなった。 (3)国内および海外の技術者教育現状調査 国内においては、マイクロスケールケミストリー第2回シンポジウム(2011年8月9日、東北大学)に参加し、簡易的かつ安全な実験キットの開発事例および実施例を学んだ。実験キットをマイクロスケールに小さくしたとしても、教育効果は低くはならずむしろ高まる傾向になる点は、非常に有用な知見であった。海外においては2012 Conference for Industry and Education Collaboration (2012年2月1~3日、アメリカ)に参加し、企業と学校が共同で行う教育に関して学んだ。日本においても、技術者に対する教育プログラムの開発に企業と大学が共同で積極的に取り組む必要があると認識した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
教育カリキュラム、教材の開発およびその実施、実施後の理解度調査等は、当初の計画通り進んでいる。一部、海外の技術者に対する実験教育事例の調査および実施されている教育現場への視察等が不十分であり、本研究が世界的にどの程度進んでいるか否かの評価ができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
海外の技術者に対する実験教育事例の調査等を進める一方で、本研究成果のまとめを国内、海外学会発表を行う予定である。最終的には、各種産業分野に応用できる即効性のある技術者教育システムの提案を行う。
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