2011 Fiscal Year Annual Research Report
技術教育の実習場面で行われる学習指導・評価の目標・内容・方法に関する実証的研究
Project/Area Number |
22700791
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
谷田 親彦 広島大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (20374811)
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Keywords | 技術教育 / 実習場面 / 学習指導 / 学習評価 |
Research Abstract |
本年度は,技術科の実習場面における指導・評価について,指導場面・内容の側面から分析し,技術教育の特徴を検討することを試みた。中学校3年生を対象とした技術科の授業において,レスキューロボットの設計・製作(25時間程度)の計8授業時間における指導・評価のデータを収集した。データの収集は,ビデオカメラ及びICレコーダでの録画・録音により行い,[指導場面]と「概念」の側面から検討した。その結果,調査対象とした全授業での指導場面は,[プロジェクトマネージメント]が約6割程度の出現率であり,[設計のプロセス]と[トラブルシューティング]は各2割程度であった。[設計のプロセス]の指導場面では,「空間:形」「空間:位置」「空間:運動」「量:長さ」及び「力」の概念が比較的多く出現していた。[トラブルシューティング]の指導場面では,「空間:方向」「空間:位置」「空間:運動」「時間」「長さ」「力」及び「平衡」の概念が比較的多く表出した。[プロジェクトマネージメント]では,「空間:方向」「空間:位置」「量:長さ」などの概念が比較的多く出現した。また,技術科の実習場面における指導・評価では,形や長さなどの生活的な概念を,技術的な概念である最適化,効率,評価などへと展開させるプロセスに特徴があるのではないかと思われた。一方で,技術科の実習場面における指導・評価では,ものづくりの過程で用いる概念を実証的に収束させるプロセスは少ないのではないかと思われた。さらに,目的に対する試行的な学習活動を促す指導評価が表出したため,技術的な問題解決への挑戦的な取り組みを推奨するプロセスが特徴として考えられることがわかった。
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Research Products
(3 results)