2011 Fiscal Year Annual Research Report
拡張現実感を利用した無機化学体験学習支援システムの開発
Project/Area Number |
22700819
|
Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
岡本 勝 広島市立大学, 情報科学研究科, 講師 (30453210)
|
Keywords | 体験学習 / 拡張現実 / 無機化学学習 / ヒューマンインタフェース |
Research Abstract |
まず、昨年度構築した拡張現実空間での化学反応シミュレーションインタフェースを用いて、フレームワークを構築した。具体的には、 ・演習問題の提示機能 ・インタフェース操作による回答提示(シミュレーション結果が回答内容となるよう構築) ・回答結果判定、誤答時のヒントフィードバック を設計した。これらの機能をインタフェースであるマーカを用いて操作できるようにしたことで、操作の冗長性を回避した。(THE TENTH INTERNATIONAL CONFERENCE ON INDUSTRIAL MANAGEMENTに投稿中) 次に、学習者(高校生など)が用いる参考書や学習指導要領をもとに、シミュレーションを行える必要がある化学反応の調査・解析を行い、昨年度のインタフェースでは行えない化学反応についてもシミュレーションを行えるようインタフェースの拡張を行った。また、各化学反応の問題構成を検討し、化学反応のキーと考えられる項目(溶媒、水溶液、炎色反応の色、沈殿物の色など)が回答となる演習問題としてデータベース化した(約300問)。同様に、学習者が行う可能性のある誤答をピックアップし系統化した後フィードバック内容として実装した。 さらに、構築した学習支援システムを用いた被験者実験を行い、学習効果の検証を行った。大学生を被験者としてシステムを用いて演習問題に関するシミュレーションを通じた学習を行わせ、演習内容に関する問題と答えさせたところ、過半数の被験者が6割以上の回答を行えることが確認できた。さらに3日後に再度本システムを用いた後に問題を回答させたところ、1名は工場が見られなかったが、6名中5名の被験者の正回答率が向上したことを確認できた。(International Conference on Computers in Education(ICCE2012)に投稿中)
|