2010 Fiscal Year Annual Research Report
身体性認知科学に基づいた英語語彙習得促進の手法開発と評価
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22700826
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
鈴木 明夫 東洋大学, 経営学部, 准教授 (00406373)
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Keywords | 視認語 / 教育手法 / 外国語語彙習得 |
Research Abstract |
本研究(平成22年~24年度)では、知覚運動情報と言語理解の関係を認知心理学的に解明するとともに、そこで得られた知見を応用した実践的・かつ効果的な英語語彙習得の教育手法を開発することを目標とし、申請を行った。 これまでの先行研究では、日本語母語話者において、行為文(「棒を握る」など)の意味判断をすると運動表象が活性化し、音韻判断を行うと活性化しないことが示されている。また、英語においても前置詞の意味を視覚的なイメージとして表現することで理解が深まること、文の接続関係を図解として表現することで、文の理解が促進されることなどが明らかになっている。 これらの基礎研究の成果を踏まえ、より実際に近い模擬授業を考案し、その効果を検証した。具体的には、英語不定代名詞(other, another, the other)の概念的な説明ののち、学習者自身が棒を用いた行為を行いながら自己の動作を英語で表現することで、不定代名詞の使い分けを体験するという授業を考案し、その効果検証を行った。その結果、行為が不定代名詞の理解を促進する可能性が示されている。ただし、第二言語の理解において、運動表象が関与しているのか、また学習者の能力によって運動表象の関与の仕方に影響があるのか、など基礎的な確認がなされていない。 以上の先行研究を踏まえ、平成22年度では知覚運動情報と言語理解との関係を活用した英語教授法の開発に着眼点をおいて研究を行った。知覚運動情報と言語理解との関係を明らかにしただけでは、実際の英語運用場面(読み・聞き)などでは活用語彙として機能する手法の開発とは言えない。そこで知覚運動情報と言語理解との関係を明らかにし、その上でこの手法によって得られた語彙を英語の「読み・聞き」に応用すべくCD-ROM教材の開発を平成22年度に行った。
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Research Products
(5 results)