2011 Fiscal Year Annual Research Report
e-Campusでの行動履歴と成績との相関性の調査研究
Project/Area Number |
22700827
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
天野 直紀 東京工科大学, メディア学部, 准教授 (10367203)
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Keywords | e-learning / 学習行動認識 / 学習行動履歴 / 学習態度 |
Research Abstract |
e-Campus内で学習する学生の行動履歴と成績に相関性があるという仮説を立てて、行動履歴の特徴量の選定法を提案し、これを用いた実験的検証を通して、この仮説の妥当性を立証することを目的とした。 今年度はこの中で特に、学習者の行動をカメラによって計測し、学習中の行動を識別する部分で成果が上がった。この識別では教師のいない自宅での自習を想定した。識別手法の実現においては近年、家庭用ゲーム機用の3Dカメラが非常に安価に販売されるようになっていることから、3Dカメラを用いた行動識別のコストは現実的なものとなりつつあると考えた。そこで比較的安価な3Dカメラを用い、自習中の状態を観測し、学習中の行動種別を自動的に識別することを行った。ここで行動種別とは居眠り、筆記、読書、PC操作などを想定した。このような識別が自動的に可能となれば、学習行動と成績とを機械的・自動的に対応付けられるようになり、本研究で目的とする成績との相関性を求めるのに非常に有益である。 3Dカメラより得られる位置情報を用いて、辞書データと観測データの単純な相関係数を求めることにより、全体としては実用性を期待できる識別精度を確認することができた。識別精度の低い行動種別も明らかになったことから、重み付けを変えるといった計算手法の変更によって精度を更に改善できる可能性についても展望が得られた。 この他に携帯端末やノートPCの画面を点滅させ、カメラで点滅を観測することにより教室内での位置を検出する手法についても安価に広範囲に実現できることを確認し、再利用可能とするためにシステム化を行った。この手法と前述の行動識別手法を組み合わせることにより、教室でも行動識別が可能になると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学生の行動と成績との相関性を導くには至らなかったが、相関性を求めるために非常に有益となる学習行動の識別手法を実現することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度に実現した学習行動の識別手法についての知見から、更に実用性を高めるために識別精度を向上させる。また、他の学習行動履歴情報と合わせて成績情報との相関性を求めることにより、本研究の当初目標を達成する。 識別精度の向上については、動作部位と識別する動作種別ごとに重み付けを行うようなアルゴリズムの改良を行いつつ、対象データ(被験者)を拡大することにより、より汎用的なパラメータの推定を行うことで実現することができると考えられる。
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