Research Abstract |
近年,オープンソースソフトウェア(以下OSS)の利用が進んでいるが,一般にドキュメント化やマニュアル整備が進んでおらず,OSS利用初心者にとってはOSS導入のためのインストール作業でさえ困難な状況にある.そこで本グループでは,OSS利用熟練者の操作ログを用いたWebベースのOSSインストールマニュアル自動生成システムの提案を行ってきた.しかしOSS利用時においては,インストール後に設定ファイルの変更を行うなど,初期設定を行うことにより初めて利用できるようになるケースが多い,また,アプリケーションサーバやDBMS(DataBase Management System)といったミドルウェアにおいては,OSSを採用するシステムが増加しつつあるが,これらOSSミドルウェアでは,デフォルト設定での処理性能が低い場合においても,システム設定の最適化を行うことで,処理性能が大きく向上することが知られている.そこでこれらOSS導入時における各種設定情報や,システム最適化技術の蓄積を目的として,設定ファイルの変更ログから,自動でWebベースの設定マニュアルを生成する手法について提案した.更に既存システムにおいては,インストールマニュアルと設定マニュアルが,それぞれ個別のファイルとして生成されてしまい管理が難しい.そこで,これら関連する異種マニュアルを統合し,これをOSS利用マニュアルとして新たに定義した.ここで,複数のWebマニュアルを統合する際には,マニュアルの表示領域に限りがあることから,情報に優先順位をつけて提示する必要がある,更にマニュアルがユーザにより任意サイズに変更された場合には,画面レイアウトが崩れ視認性が低下するという問題点もあった.そこで本グループでは,これら問題点を解決するために,OSS利用マニュアルに対して,Webページレイアウト最適化手法を適用し,ユーザビリティの向上も図った.
|