2010 Fiscal Year Annual Research Report
音声・点字による試験問題出題に必要な字注・意味注の挿入を実現するシステムの開発
Project/Area Number |
22700835
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Research Institution | The National Center for University Entrance Examinations |
Principal Investigator |
南谷 和範 独立行政法人大学入試センター, 入学者選抜研究機構, 准教授 (90551474)
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Keywords | 視覚障害 / 読字障害 / 字注・意味注 / 単語新密度 / 同音異字語抽出 |
Research Abstract |
22年度に関わる目標は、「システムの動作検証と被験者実験用問題文の作成に供する、センター試験点字過去問のデータベース化の遂行」の大部分「注の付与が必要な語を抽出するシステムの開発」の一部であった。以下、交付申請書の「計画」に付した番号を参照しつつ詳述する。 22年度は、電子書籍をめぐる技術的発展と社会的・経済的展開が本格化した。本研究も1.について、独自形式ではなく、こうした潮流に即した研究推進を要求された。国際学会での調査からは、視覚障害・読字障害分野において、DAISYフォーマットをベースにリッチ・コンテンツを整備する趨勢が確認されたが、後継企画策定中のため、現状どのバージョンを用いて試験問題を入力するか熟慮を要することも判明した(→DAISY 2.02を選択)。また同フォーマットでは規格上、テキスト情報が簡便に扱えないことを確認し、データ入力に用いるオーサリングツールの検証を慎重に進めた(→SaveAsDAISYを選択)。2.5.等を遂行し、2000年以降のセンター試験国語過去問のデータベース化を一通り終えた。3.(形態素解析モジュールの開発)は、オープンソースソフトウェアのChasenの流用が可能と判断し、実装に入るために4.(後述)に注力した。4.「同音異字語抽出システムの読み辞書の開発」について。経験のある点字出版所・視覚障害教育関係者に面接調査を実施した。視覚障害児漢字教育の方針未確立の問題は、交付申請書「研究の学術的な特色・独創的点」に指摘したが、想定以上に共通認識が不足していることが分かった。そこで、試験問題の字注付与のみならず、教育現場での利用に供することができる「漢字説明辞書」を作成することとした。福祉工学、視覚障害児国語教育、ユーザ(視覚障害者)それぞれの見地に基づく漢字説明を併載し、字注としての条件を考慮して選択を行うシステムの開発を進めている。
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