2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本の大規模農業者におけるブランド・エクイティ戦略の空間的特性
Project/Area Number |
22700852
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
梅田 克樹 千葉大学, 教育学部, 准教授 (20344533)
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Keywords | ブランド・エクイティ / 農水産物 / 大規模農業者 / 市場認知度 / フードシステム |
Research Abstract |
安全・安心な農水産物・食品に対する需要が年々高まる一方で、消費者の低価格志向も依然として続いている。そのため、農水産物の生産者が高付加価値を獲得するためには、高品質の証左としての農水産物・食品ブランドを確立することが、ますます重要になっている。そこで、本研究課題の初年度にあたる平成22年度は、農水産物・食品におけるブランド・エクイティの現状を概括的に把握することに努めた。ローカルブランドやマイナーブランドを含めると、全国に存在する農水産物・食品ブランドは数千~数万件に及ぶものと考えられる。また、ブランド化を図る主体やブランドの対象となる品目、ブランドに付与されたエクイティ等は、きわめて多様性に富む。そこで、ブランド化を推進するための組織が各地域においてどのように構築され、どのような施策が展開されているのかを概括的に把握するために、地方農政局・都道府県の担当部課や農業協同組合・農業者会議・農業生産法人協会等を通じた資料収集を行った。また、ブランド・エクイティ戦略に関する既存文献の渉猟にも努め、農水産物・食品ブランドの全体像を把握し類型区分を行うために必要な情報を収集した。 次に、各ブランドの実質的なエクイティを評価するための作業として、百貨店等における催事イベントと在京のアンテナショップに注目した。これらは、大都市部の高所得者層を主たる顧客としており、情報の収集・発信拠点として重要な役割を果たしている。大手小売店のバイヤーらによるバイアスを介することなく、マーケットの動向や要求をダイレクトに吸収することによって、より魅力ある商品づくりを可能ならしめる機会ともなっている。そこで、催事イベントやアンテナショップの特徴(開催頻度・立地・規模・取扱商品)について幅広く調査を実施し、それらの全体像の把握をまずは試みた。
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