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2011 Fiscal Year Annual Research Report

琵琶湖北部流域の積雪と琵琶湖内密度流の関係

Research Project

Project/Area Number 22700853
Research InstitutionOchanomizu University

Principal Investigator

長谷川 直子 (石黒 直子)  お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (60433231)

Keywords密度流 / 融雪水 / 琵琶湖 / 姉川 / 溶存酸素 / 水温
Research Abstract

本研究では、滋賀県琵琶湖集水域の中でも、特に積雪の多い特別豪雪地帯に位置する姉川流域において溶けた融雪水が琵琶湖の中でどのような挙動をし、どのような影響を与えているのかを目的としている。近年の冬季の気温上昇により琵琶湖内での冬の循環が弱まっており、特に琵琶湖深層の溶存酸素濃度の低下が指摘されている。いっぽう、融雪起源の河川水は湖水よりも水温が低いと考えられるため深層密度流となり琵琶湖深層に酸素を供給するプロセスとなると考えられる。そこで、姉川の融雪河川水が深層密度流となっているのか、つまり深層へ酸素を供給するプロセスとなり得ているのかをこの研究によって明らかにしたいと考えている。このような姉川起源の密度流に関する研究としては、従来、3月のみの湖内係留観測による高濁度融雪水の観測報告と、河川水温と湖水温の比較から河川水が湖内に潜り込まないという報告がある。本研究では、冬季を通して湖内の多地点で係留観測を行うことにより、間欠的に発生すると考えられる密度流がどれくらいの期間、どれくらいの頻度で発生しているかを連続的に捉えようとした。その結果、1、2月に河川水温は湖水温よりも低くなっており、間欠的ではあるが、複数日にわたって深層密度流が発生していることが確認できた。この密度流は周りの湖水と比べて電気伝導度が低く、溶存酸素濃度が高かった。深層密度流の起源としては、河川水のみならず、沿岸密度流や地下水の流入も考えられる。沿岸密度流は明け方のみ発生するため、複数日連続することは考えにくく、また湖水が起源となるため、電気伝導度が周りの水塊より低くなることは考えられない。また、地下水の場合には還元状態になるため、溶存酸素濃度が高くなることは考えにくい。以上のことから、ここで観測された密度流は姉川起源のものであると考えられ、このことが本研究によって始めて確認できた。

  • Research Products

    (3 results)

All 2012 2011

All Presentation (2 results) Book (1 results)

  • [Presentation] 琵琶湖内での姉川起源密度流の挙動2012

    • Author(s)
      長谷川直子,大久保卓也,熊谷道夫
    • Organizer
      日本地理学会春季学術大会
    • Place of Presentation
      首都大学東京
    • Year and Date
      2012-03-28
  • [Presentation] 琵琶湖北部流入河川(姉川)の融雪時の栄養塩供給量2011

    • Author(s)
      大久保卓也、長谷川直子、岩木真穂
    • Organizer
      日本陸水学会大会
    • Place of Presentation
      島根大学
    • Year and Date
      2011-09-23
  • [Book] 温暖化の陸水学2012

    • Author(s)
      長谷川直子(分担)
    • Total Pages
      289
    • Publisher
      京都大学学術出版会

URL: 

Published: 2013-06-26  

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