2011 Fiscal Year Annual Research Report
地下流水音を用いた乾燥草原地帯における浅層地下水の探査
Project/Area Number |
22700854
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
河合 隆行 新潟大学, 災害・復興科学研究所, 助教 (20437536)
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Keywords | 地下流水音 / 自由地下水 / 半乾燥地帯 / 水資源探査 |
Research Abstract |
本研究では,地下水が流動する際に発する微弱な音波を地表面から集音し,簡便かつ迅速に地下水の水みち位置を特定することで,「遊牧民が日常的に利用する浅井戸をどこに掘れば生活に十分な水量が得られるか」という問題を解決することを目的としている。 平成22年度の調査で行った浅井戸調査では,当初の予定20地点を大きく上まわる49地点を探査することが出来た。また,当初は花崗岩地帯のみの調査を想定していたが,火成岩・変成岩・堆積岩の3種の帯水層域を調査することができた。 そこで,全地下水サンプルの酸素・水素の安定同位体測定を行い,各岩種における特徴を抽出したところ,火山岩・堆積岩地域と変成岩地域の2グループに分類することが出来た。この2グループで地下流水音の値も異なり,同程度の地下水位であっても火山岩・堆積岩地域では音圧が大きく,変成岩地域では音圧が小さかった。 このことから,地下流水音から地下水位を推定する水位-音圧検定曲線を作成する際には,測定地域の地質を考慮する必要があることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では,「降水条件が年によって大幅に変動する乾燥地帯にて地下水流動の年変動が地下流水音探査に及ぼす影響」を確認するために,毎年同地点での多点観測を行うことにしていた。しかし,申請者の急病・手術により平成23年夏期のモンゴル現地調査を行うことが出来なかった。そのため,平成23年度予算の繰越申請を行い,上記の地下水流動変化の確認は平成24年度の夏期調査に持ち越されることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の夏期調査においては,23年度に実施予定であった「地下水流動の年変動が地下流水音探査に及ぼす影響」を確認することとする。また,研究対象地は冬期に凍土となる寒冷乾燥地帯であるため,凍土が地下流水音の音圧に及ぼす影響を確認することとする。
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Research Products
(1 results)