2011 Fiscal Year Annual Research Report
激甚災害をもたらす火山体の巨大崩壊がなす地形の定量解析
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22700858
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
吉田 英嗣 関東学院大学, 経済学部, 講師 (90548116)
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Keywords | 火山体 / 山体崩壊 / 地形 / 流れ山 / 岩屑なだれ / GIS / 磐梯火山 / 崩壊量 |
Research Abstract |
火山体で頻発する巨大山体崩壊を対象とした本研究課題に関して、今年度の主要な成果は以下に述べるとおりである。まず、日本における複数の事例について、山体崩壊によって形成された堆積地形である「流れ山」の縦断分布特性を検討し、その地形学的な意義を吟味した論文を発表した(Yoshida et al.,2012,Geomorphology)。これは、空中写真などの地形判読とGISによる地形計測とを併用して明らかにした流れ山の縦断分布の特徴が、巨大山体崩壊の規模(崩壊量)や岩屑なだれの流動性(等価摩擦係数)の大小を反映していることを示したものである。また、この成果に基づき、磐梯火山における1888年の山体崩壊についての検討も行った。この事例においては山体崩壊量に関して複数の異なる見解が示されており、従来は約1.2km^3という値が多く引用されてきたが、流れ山の分布の特徴を把握した結果、崩壊の量的規模は約0.6km^3と推算された(吉田、2012、地形)。すなわち、磐梯火山の山体崩壊は0.5km^3規模の崩壊であったとする前年度の成果と調和する結果が得られた。山体崩壊の実態解明において流れ山地形が有用であること、さらに多くの事例に対して適用しうることが示唆された。また、日本国内では鳥海火山、羊蹄火山に加え、磐梯火山における古い山体崩壊による流れ山地形の地形判読を行った。国外ではフィリピンのイリガ火山、ニュージーランドのエグモント火山の山体崩壊に関する資料収集調査を現地に赴いて実施した。次年度にはこれらの事例に関するデータのとりまとめと学会発表および論文発表を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
複数の査読論文の発表など、年度の到達目標をほぼ達成するとともに、次年度に予定していた新たな検討事例に関する空中写真等の資料収集調査も実施できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までに多数の事例についての資料収集が完了したので、次年度(最終年度)にはこれらの資料整理とデータ化を進め、論文として発表する。そして、本研究課題においては主に堆積地形の流れ山の縦断分布特性に着目してきたが、新たな着眼点に基づく山体崩壊および岩屑なだれに対する地形学的アプローチの予察的検討を進め、さらに発展的な研究課題を探りたい。
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