2012 Fiscal Year Annual Research Report
激甚災害をもたらす火山体の巨大崩壊がなす地形の定量解析
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22700858
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
吉田 英嗣 明治大学, 文学部, 講師 (90548116)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 山体崩壊 / 火山 / 流れ山 / 地形 / GIS / 岩屑なだれ |
Research Abstract |
最終年度にあたる2012年度は,主にこれまでに収集した資料のデジタルデータ化と,これまでに地形判読を終えている(または中途の)事例の解析をおこない,得られた結果を複数の学術論文および学会発表を通じて公表した.本研究課題においては,火山体にてしばしば発生する大規模な山体崩壊を周辺域に多大なる被害をもたらしうる現象であるとも捉え,とくに,被害の大小に直接影響する山体崩壊の量的規模に着眼して研究を進めてきている.古い事例については山体崩壊量の推定が困難であることが少なくなく,できるだけ多くの既知の事例についての情報が求められるなかで,前年度までに山体崩壊による堆積地形の「流れ山」の有用性を明らかにしてきた.本年度は他の複数事例についても同様に,流れ山地形が山体崩壊量推定のための有力なツールとなるかどうかを調査した.まず,磐梯火山・翁島岩屑なだれについて,前年度における1888年の裏磐梯岩屑なだれに引き続いて検討し,山体崩壊量の見積もり値が過大であったことを指摘した(吉田,2013,地形).また,岩屑なだれの流動が谷地形に制約されたと考えられる那須火山・観音川岩屑なだれのような「谷埋め型岩屑なだれ」でも,流れ山は山体崩壊量を反映した分布特性を呈す可能性が高いこと(吉田,2012,駿台史学),国外の事例としてはフィリピンのイリガ火山における岩屑なだれでも,山体崩壊量と流れ山地形との関係は日本の諸事例と同様であることを確認した.本年度はさらに,発達史地形学の観点から,浅間火山の2.4万年前における大規模山体崩壊の影響を受けた利根川・吾妻川河谷にて段丘地形発達の調査をおこない,今後の研究方針策定の指針とした.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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