2011 Fiscal Year Annual Research Report
近隣効果を考慮した身近な生活環境の環境経済評価モデリング
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22700860
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
村中 亮夫 立命館大学, 文学部, 講師 (10434713)
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Keywords | 近隣効果 / 安全安心 / 支払意思額 / 労働意思量 / ジオデモグラフィクス |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続き文献資料の収集や関連機関への聞き取り、統計資料の収集・整理を実施した。安全安心に関する文献資料の収集では、引き続き京都府や亀岡市など、安全安心まちづくりに関わる取り組みを積極的に行っている自治体からの情報収集を行った。また、本研究の分析的アプローチの基盤となるGIS(地理情報システム)や空間分析モデルを援用した環境経済評価モデリングに関する研究についても、国内外の主要雑誌から関連する文献の収集を行った。とりわけ、本研究の最大の問題関心は、これまで地理学において議論されてきたように、環境財の保全に対する意思表明が居住地-環境財間の距離だけに依存しているとは限らず、町丁目・字レベル(小地域単位)での地域的な社会関係が身近な地域の安全安心に対する意思表明を規定している可能性もあるという点に着目しているところにある。すなわち、小地域レベルでの社会関係が近隣効果として個人のWTP(支払意思額)に影響を与える点を適切にモデル化することが重要である。この小地域レベルでの近隣効果を考える指標としては様々な小地域統計の利用が考えられるが、本研究では小地域レベルでの居住者特性を類型化した商用のジオデモグラフィクスであるMosaicJapan(アクトン・ウインズ社)の社会地区類型の情報を利用する。本研究ではこの社会地区類型ごとに変動することが予想される身近な地域の安全安心に対するWTPの予測モデルを構築すべく、本年度は両者の関係をモデル化したWTP関数の推定を行うためのデータベース作成を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り次年度のWTP関数を推定するための分析データの作成を進めているため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、身近な地域の安全安心に対するWTPのモデリングを行い、小地域レベルでの居住者特性がWTPに与える影響についての検討を加える。また、分析結果については地理学関係のしかるべき学会において報告した後、学術雑誌に投稿する。
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