2012 Fiscal Year Annual Research Report
がん微小環境制御転写因子Bach1の機能解明とがん幹細胞移植モデルマウスへの応用
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22700869
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松本 光代 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (80400448)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | Bach1 / がん微小環境 |
Research Abstract |
本研究の目的は高感度にヒト癌細胞生着、転移を評価できるモデルマウスの作出にある。近年、我々はBach1ノックアウトマウス由来胎児繊維芽細胞(Bach1 KO MEF)細胞が癌細胞とのin vitro共培養によってヒト癌細胞の遊走能と浸潤能が亢進することを見いだした。免疫不全Bach1 KOマウスの作出が移植癌細胞の高感度生着および転移モデルにつながると考え、現在その作出を試みている。実際には、超免疫不全NOGマウスとの体外受精によるF1動物を得、ジェノタイピング後、再度のNOGマウスとの体外受精を繰り返しているところである。 また、本モデルをよりよく活用するため、Bach1の細胞内での役割およびそのメカニズムの解明が必要であり、昨年度、Bach1がどのような遺伝子を制御しているのか特定するため、MEF細胞を用い、Bach1抗体によるChIP-seqを施行した。そのデータ解析から、PparγがBach1によって制御されている可能性を見いだし、不死化Bach1 KO MEF細胞と不死化野生型MEF細胞のマイクロアレイ発現解析、real-time PCRおよびウエスタンブロッティングにおける比較解析において、Bach1がPparγを抑制していることを示した。Pparγは脂肪分化を促進する転写因子であることが分かっている。実際に、不死化Bach1 KO MEF細胞はPparγのリガンド依存的に脂肪細胞分化を促す遺伝子群の転写が活性化された。さらに脂肪細胞分化誘導培地において、容易に脂肪細胞へと分化した。Pparγは微小管での腫瘍への作用が報告されているマクロファージの分化および機能においても重要な転写因子であることがわかっている。今回特定には至っていないが、微小環境におけるBach1欠失細胞を介した腫瘍悪性化にPparγが影響している可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)