2011 Fiscal Year Annual Research Report
RNAポリメラーゼII転写とリンクするp53制御機構
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22700878
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
川内 潤也 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (20544498)
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Keywords | FCP1 / p53 / 脱リン酸化 / 細胞増殖 |
Research Abstract |
われわれは、RNAポリメラーゼIICTD脱リン酸化酵素であるFCP1による細胞増殖制御機構をp53機能の観点から解明しようとしている。これまでに、FCP1のノックダウンによって細胞増殖が強く抑制されること、その際、p53が蓄積し、p21が誘導されることを見出している。p53を欠失もしくはsiRNAによってノックダウンした細胞株ではこれらのフェノタイプがみられないことから、細胞増殖抑制はp53によるものであると考えられる。 本年度は、細胞増殖機能におけるFCP1の機能ドメインを明らかにするために、種々のdeletion mutant発現ベクターを作成し、FCP1ノックダウン細胞株にこれらmutantFCP1を最導入して細胞増殖能に必須のFCP1ドメインを探索した。その結果、フォスファターゼ活性をつかさどるDXDXT配列は必須であったが、それに加えて、リン酸化タンパク結合のプラットフォームになると考えられるBRCT domainも重要であることが分かった。一方、TFIIFとの結合部位となるRAP74 domainは細胞増殖に必須ではなかったが、これまでの報告と異なりPolIIとの結合そのものには、この領域が必要であった。 現在バキュロウィルスの系を用いて作成したFCP1タンパクを用いてFCP1が脱リン酸化するPolII以外の基質を質量分析などを用いて探索している。また、細胞増殖に必要であったBRCTドメインと結合するタンパクを同定し、転写リサイクル以外のFCP1機能の分子基盤を明らかにしたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
FCP1機能ドメインの細胞増殖に関する重要度については当初の計画になかった成果を得ることができたが、新規脱リン酸化基質の探索、p53脱リン酸化についてのアッセイは条件検討などに手間取り当初の計画から遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
上記遅れているとした部分についてはアッセイに必要な試料のめどがついたので、早々に実験を開始する予定である。 また、当初の計画になかったが転写ストレスにおけるFCP1の役割、また転写リサイクリングをin vitroで評価する系の確立についても検討を始めた。
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