2011 Fiscal Year Annual Research Report
癌細胞の変異BRCA1遺伝子修正による乳癌発生機序の解明
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22700888
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
シバスンダラン カルナン 愛知医科大学, 医学部, 助教 (30557096)
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Keywords | ヒト細胞遺伝子改変法 / BRCA1 |
Research Abstract |
前年度まで、BRCA1ホモ変異を持つ遺伝性乳癌由来のヒト細胞株に対して遺伝子ターゲッティングを試行し、一方のBRCA1アレルを野生型に修正することによって機能性BRCA1タンパク質を復元しようと試みたが、目的の遺伝子修正クローンを得ることはできなかった。本年度は、その反省を踏まえ、2本の野生型BRCA1アレルを持つ非癌ヒト乳腺上皮細胞株を対象とし、BRCA1アレルの一方にミスセンス変異を導入(ノックイン)する試みを行なった。導入する変異は2種類とし、ひとつは、BRCA1遺伝子エクソン5上に存在し、遺伝性乳癌患者で高頻度に検出されるため癌原性の明らかな一塩基置換を選択した。他方は、エクソン2上に位置し、BRCA1タンパク質のBARD1タンパク質との結合能は保持しつつユビキチンリガーゼ機能をほぼ廃絶させる二塩基置換を選択した。 まず、2つの約1kbのホモロジーアームを持つターゲッティングベクターを、アデノ随伴ウイルスの骨格とプロモータートラップ法を取り入れて作成した。次に、ターゲッティングベクターを2種類の不死化ヒト乳腺上皮細胞株(MCF-10AおよびhTERT-IMEC)に感染させ、薬剤選択を行った後、単一細胞由来クローンのスクリーニングをPCRに基づくアッセイによって行った。これらの試行のうち、エクソン5の一塩基置換に関しては、複数回の試行にもかかわらずBRCA1変異ノックインクローンを得ることができなかった。原因は明らかでないが、BRCA1遺伝子は5'末端近傍のエクソン1、2を除きほとんどのエクソンが密度の濃い多数の繰返し配列の中に散在しているため、ひとつの仮説として、ホモロジーアーム中で繰返し配列の占める割合が高くなることが正確な相同組換えを阻害し、遺伝子ターゲッティングを困難にしていると考えられた。
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[Journal Article] Mutation of a single allele of the cancer susceptibility gene BRCA1 leads to genomic instability in human breast epithelial cells2011
Author(s)
Konishi H, Mohseni M, Tamaki A, Garay JP, Croessmann S, Karnan S, Ota A, Wong HY, Konishi Y, Karakas B, Tahir K, Abukhdeir AM, Gustin JP, Cidado J, Wang GM, Cosgrove D, Cochran R, Jelovac D, Higgins MJ, Arena S, Hawkins L, Lauring J, Gross AL, Heaphy CM, Hosokawa Y, Gabrielson E, Meeker AK, Visvanathan K, Argani P, Bachman KE, Park BH
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci U S A
Volume: 108
Pages: 17773-8
DOI
Peer Reviewed
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