2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700903
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
多田 素久 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (00554239)
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Keywords | 大腸癌 / 遺伝子異常 / 高密度アレイ |
Research Abstract |
大腸細胞株35種からDNAを抽出し、Affymetrix社の高密度オリゴヌクレオチドアレイGeneChip Human Mapping 100K Setと解析ソフトCopy Number Analyzer for GeneChih(CNAG)を用いて大腸癌細胞株における遺伝子の量的異常(増幅・欠失・ヘテロ接合性喪失(LOH))の網羅的解析を行った。そうしたところ、18ヶ所の新規領域を含む26ヶ所で少なくとも1個以上の細胞株でホモ欠失がみられた。また、15ヶ所の新規領域を含む23ケ所が複数の細胞株で高度増幅していることが明らかとなった。大腸癌外科切除検体64例からマイクロダイセクションの手法を用いて癌部・非癌部よりそれぞれDNAを抽出し、細胞株から得られた結果の検証を行った。高度増幅がみられた遺伝子のうち10遺伝子に関してコピー数の計測をGenomic real-time PCRにより行うとともに、ホモ欠失していた遺伝子のうち4遺伝子についてLOH解析を行った。その結果、40%以上の症例で10遺伝子中5遺伝子がコピー数3以上の増幅を示した。また、LOH解析を行った4遺伝子についてはすべて40%以上の症例でLOH陽性であった。LOH陽性遺伝子が多い症例では有意にリンパ節転移がみられた。また、特にStage I,IIの大腸癌ではLOH陽性遺伝子が少ない症例は多い症例に比べ有意に全生存率が良好であった。高密度オリゴヌクレオチドアレイを用いることで、大腸癌の予後と関連する新規遺伝子異常を同定することができた。
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