2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ粒子を使った、甲状腺癌の高精度・高感度・迅速診断法の開発
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22700906
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
藤岡 宏樹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (90392381)
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Keywords | 癌 / ナノ材料 / 量子ドット / 診断 / 甲状腺 |
Research Abstract |
本研究は、甲状腺癌を特異的に認識するIgM抗体(JT95抗体)とナノ粒子を組み合わせることで、癌抗原の検出感度を飛躍的に高め、血液検査による甲状腺癌の診断法の開発、及び穿刺吸引細胞診の更なる精度向上を目的としている。将来的に、患者サンプルによる診断試験を行ない、臨床における有用性を検証、患者負担の少ない腫瘍検査法を開発する事を目指している。 当該年度は、診断を迅速に行う検出法「抗体-ナノ粒子による1ステップ抗原検出法」の開発のため、蛍光ナノ粒子(量子ドット)とJT95抗体を直接結合させる条件を、架橋試薬による結合法とビオチン-ストレプトアビジンを介した結合法で検討した。 本検討から、直接結合法によって、SW1736甲状腺癌細胞株の免疫染色、ウエスタンブロッティング法による検出、及びELISA様法に応用できることを見出した。しかしながら、IgM抗体は分子量が大きく、量子ドットと反応させた際に一部凝集し、収率が落ちてしまう傾向が見られた。現在、収率の向上、感度の増強を目的に、JT95抗体をペプシン等で酵素処理して細分化し、これらと量子ドットとの結合に取り組んでいる。また、磁性ナノ粒子とJT95抗体を結合させた抗原検出法の開発も進めており、結合の確認や甲状腺癌抗原との反応性を検討している。 これらの研究成果の一部を、平成22年度がん若手研究者ワークショップ、及び第53回日本甲状腺学会学術集会で発表した。
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Research Products
(3 results)