2011 Fiscal Year Annual Research Report
上皮成長因子受容体リガンドを標的としたゲフィチニブ耐性化機構の解明
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22700922
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
岩永 健太郎 佐賀大学, 医学部, 客員研究員 (60380755)
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Keywords | 肺がん / 耐性化 / EGFRリガンド |
Research Abstract |
肺がん分子標的薬ゲフィチニブの耐性化機構をEGFRリガンドの側面より検討し、ゲフィチニブ耐性獲得の新規マーカーを血清診断にて行うことを目的として、肺がん細胞株を用いてゲフィチニブ耐性化に関与するEGFRリガンドの同定および耐性獲得に重要なシグナル伝達経路を明らかにするための研究を行い以下の結果を得た。 1)肺がん細胞株のHERファミリーリガンドおよびレセプターの発現 12種類の細胞株について、HERファミリーリガンドの発現量をリアルタイム定量PCRで比較した。EGFR-TKI初期耐性の肺がん細胞株では感受性株と比較してNeuregulin 2(29.7倍)、Neuregulin 4(18.1倍)、Epiregulin(8,72倍)、Neuregulin 1(6.19倍)epigen(5.18倍)とHER3およびHER4に結合するリガンドの高発現を認めた。HERファミリーレセプターの解析ではEGFR-TKI感受性株でEGFRのリン酸化亢進を認めたが、他のHERファミリーレセプターでは同様の傾向はみられなかった。 2)EGFR-TKI耐性獲得に関与するHERファミリーリガンドおよびシグナル伝達経路 EGFR-TKI感受性株(HCC827)を用いてゲフィチニブ耐性株(HCC827GR)およびエルロチニブ耐性株(HCC827ER)を作成した。樹立した耐性株では既知の耐性化機構であるEGFR-T790M変異、MET増幅、HGF過剰発現は認めなかった。HERファミリーリガンドの発現量は2倍以上を発現亢進、0.5倍以下を発現低下とすると親株と比較して、ゲフィチニブ耐性株(HCC827GR)ではAmphiregulin、Epigen、Epiregulin、HB-EGF、Reuregulin1、TGF-αといったEGFRに結合するリガンドの発現亢進をみとめたが、エルロチニブ耐性株(HCC827ER)ではAmphiregulin、Epigen、BGF、Neuregulin 4の発現は低下していた。HER4および下流のシグナルであるSTAT5のリン酸化はHCC827GR、HCC287ERで共に亢進していた。 以上の結果よりゲフィチニブの耐性化機構に複数のERBBファミリーレセプターリガンドが関与していると推定された。
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Research Products
(1 results)