2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22700923
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
塚原 智典 自治医科大学, 医学部, 助教 (10362120)
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Keywords | 悪性リンパ腫 / T細胞 / 腫瘍標的化 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
本研究では、難治性の悪性Bリンパ腫の新たな治療戦略として、免疫遺伝子療法の開発研究を行うことを目的とする。治療法の概要は、Bリンパ腫細胞の表面抗原(CD19抗原)を認識するキメラ抗原受容体を発現したT細胞を体外で大量に調整し、患者体内に戻すことでBリンパ腫を効率よく排除しようとするものである。当該免疫療法の開発のため、これまでに、レトロウイルスベクターによる末梢血T細胞へのキメラ抗原受容体遺伝子の効率の良い導入法および遺伝子改変T細胞の選択的な増幅法を確立した。本年度は、昨年度の研究成果をもとに、基礎検討を継続し、以下の研究結果を得た。1、作成した遺伝子改変T細胞が、CD19陽性のヒトBリンパ腫細胞株(Raji,Daudi)を特異的かつ効率よく試験管内で殺傷した。2、これらのT細胞の生体での抗腫瘍効果を調べるために、ルシフェラーゼで標識したRaji細胞を移植した免疫不全マウスを樹立した。3、2で樹立した腫瘍移植マウスに、作成した遺伝子改変T細胞を投与したところ、腫瘍増殖抑制効果が生体イメージングにより認められた。4、遺伝子改変T細胞の抗腫瘍効果の増強のため、キメラ抗原受容体の他にサイトカインIL-21を搭載したT細胞を作成し、従来型と比較したところ、従来型の遺伝子改変T細胞と同等な細胞障害活性を持つことが試験管内で示された。以上の結果から、遺伝子改変T細胞の悪性Bリンパ腫細胞に対する抗腫瘍効果が明らかになり、これらの遺伝子改変T細胞を用いた免疫遺伝子療法は、悪性Bリンパ腫の治療に有用である可能性が示唆された。
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[Journal Article] Interleukin-10 expression induced by adeno-associated virus vector suppresses proteinuria in Zucker obese rats2011
Author(s)
Ogura M, Urabe M, Akimoto T, Onishi A, Ito C, Ito T, Tsukahara T, Mizukami H, Kume A, Muto S, Kusano E, Ozawa K
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Journal Title
Gene Therapy
Volume: (in Press)
Pages: 1-7
DOI
Peer Reviewed
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