2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本人、日系人、非日系人を対象とした食物・遺伝要因に関する乳がんの症例対照研究
Project/Area Number |
22700934
|
Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
岩崎 基 独立行政法人国立がん研究センター, がん予防・検診研究センター, 室長 (60392338)
|
Keywords | 乳がん / 環境要因 / 遺伝要因 / 交互作用 / 症例対照研究 |
Research Abstract |
環境および遺伝要因の分布と乳がんリスクの異なる3つの集団(日本人、日系人、非日系人)を対象とした乳がんの症例対照研究のデータ(長野県内4病院における症例対照研究:日本人405ペア、ブラジルのサンパウロ市内8病院における症例対照研究:日系人83ペア、非日系人389ペア)を用いて、食物栄養要因を中心とする環境要因と乳がんリスクとの関連、および環境要因と遺伝要因の交互作用の検討を行っている。 今年度は日本人のデータセットを用いて、緑茶摂取と乳がんリスクとの関連、ホルモン受容体別の乳がんリスクとの関連、緑茶ポリフェノール類の代謝および作用機序に関連する遺伝子の多型を用いた遺伝環境交互作用について検討した。緑茶摂取量が1日120ml未満の群を基準にした、1日120ml以上600ml未満、1日600ml以上の群のオッズ比(95%信頼区間)は、それぞれ0.86(0,53-1.41)、1.27(0.75-2.14)であり、有意なリスク低下は見られなかった。また、ホルモン受容体別の解析でもリスク低下を示すサブタイプは観察されなかった。交互作用の検討として、緑茶ポリフェノール類の代謝に関与するCOMT遺伝子の多型、ポリフェノールがアロマターゼの活性を下げる可能性が指摘されているためCYP19A1遺伝子の多型、さらに先行研究において交互作用が検討されているMTHFRの遺伝子多型について、緑茶摂取との間の交互作用を検討したが、いずれも交互作用を示唆する結果は得られなかった。 カルシウム・ビタミンD摂取と乳がんリスクについて遺伝要因との交互作用を検討するため、ビタミンD受容体遺伝子多型および血中ビタミンD濃度に関連する遺伝子多型のタイピングを開始した。同時に、Genome wide association studyにより明らかになった約15の遺伝子多型についてもタイピングを開始した。
|
Research Products
(10 results)