2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本人、日系人、非日系人を対象とした食物・遺伝要因に関する乳がんの症例対照研究
Project/Area Number |
22700934
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Research Institution | 独立行政法人国立がん研究センター |
Principal Investigator |
岩崎 基 独立行政法人国立がん研究センター, がん予防・検診研究センター, 室長 (60392338)
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Keywords | 乳がん / 環境要因 / 遺伝要因 / 交互作用 / 症例対照研究 |
Research Abstract |
乳がんの症例対照研究のデータ(長野県内4病院における症例対照研究:日本人405ペア、ブラジルのサンパウロ市内8病院における症例対照研究:日系人83ペア、非日系人389ペア)を用いて、食物栄養要因を中心とする環境要因と乳がんリスクとの関連、および環境要因と遺伝要因の交互作用の検討を行っている。 今年度は、カルシウム・ビタミンD摂取、ビタミンD受容体遺伝子多型(3 SNPs)および血中ビタミンD濃度に関連する遺伝子多型(6 SNPs)と乳がんリスクとの関連を予備的に検討した。まず長野の日本人のデータとブラジルの日系人と非日系人を合わせたデータの2つのデータセットを個別に解析したところ、長野では閉経後女性においてカルシウム摂取が多い群で有意なリスク低下が見られたが、ブラジルでは閉経前後にかかわらず有意なリスク低下が観察された。ビタミンD摂取は、長野では関連が見られなかったが、ブラジルでは摂取量の多い群で有意なリスク低下が見られた。ビタミンD受容体遺伝子多型のうち、長野ではrs2228570のAアレルを持つ群で有意なリスク低下が見られ、ブラジルでは有意ではないが閉経後女性においてリスク低下の傾向が観察された。また長野ではrs1544410のAアレルを持つ群で有意なリスク上昇が見られたが、ブラジルでは関連が見られなかった。そのほか、rs731236はいずれの集団においても関連が見られなかった。さらに血中ビタミンD濃度に関連する6つの遺伝子多型と乳がんリスクとの関連を検討したが、いずれの集団においても有意な関連は観察されなかった。今後はこれらの多型とカルシウム・ビタミンD摂取との交互作用を検討する予定である。 これ以外に、Genome wide association studyにより明らかになった約15の遺伝子多型についてもタイピングを終えた。
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Research Products
(9 results)