2011 Fiscal Year Annual Research Report
気相中の窒素酸化物と関連成分の多地点同時実時間分析による発生源の影響評価
Project/Area Number |
22710013
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
松本 淳 首都大学東京, 戦略研究センター, 准教授 (70402394)
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Keywords | 窒素酸化物 / レーザー誘起蛍光法 / 光化学オキシダント / 大気化学反応 / 多試料同時測定 / 実時間分析 / 発生源 / 大気汚染物質 |
Research Abstract |
汚染物質排出の抑制には、発生源からの放出特性と環境中での挙動を詳しく知る必要がある。特に発生源と環境影響を直接結び付けるには、発生源周辺での多地点同時実時間分析や多成分同時実時間分析が重要となる。すなわち、大気化学において重要な窒素酸化物に関しては、NO,NO2,O3,VOCなど関連化合物も含めた同時分析が不可欠である。そこで本研究では、既存分析装置を活用した多試料・多成分同時実時間分析を目指す。昨年度までに(1)複数LIFセルによる2試料NO2同時実時間分析、(2)NO2標準ガスを空気中に拡散させたときの2地点NO2同時実時間分析、(3)試料へのNOやO3の添加による「NO2とO3」「NO2とNO」の2成分同時同時実時間分析、を実現した。以上を踏まえ、本年度は以下の研究を実施した: (4)LIF分析セルを追加構築し、同時測定可能数を3とした。これにより、本装置のみでNO2,NO,O3など3成分同時実時間分析が可能となる。 (5)実際の発生源周辺大気を模した試料や都市大気試料について、NO2,O3、NOを同時実時間分析し、発生源近傍でのNO2-NO-O3間の関連を1秒値にて実測・検証した。その結果、広く用いられている「ポテンシャルオゾン(PO)」に関与する成分ついて、1台の装置での連続実時間分析を実現した。さらに、NO2,O3,NO同時測定で得られる1秒値を用いることで、長時間でのバックグランドオゾンの変動(気塊の入替り)や短時間でのスパイク的現象(自動車:の近傍通過)などを含めて、大気試料への発生源NO/NO2比の寄与について検証できることを実験的に示した。
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Research Products
(6 results)