2011 Fiscal Year Annual Research Report
放射性同位体を全く使用しない水系従属栄養バクテリアの2次生産測定法の確立
Project/Area Number |
22710019
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
川崎 伸之 独立行政法人国立環境研究所, 地域環境研究センター, 特別研究員 (00446387)
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Keywords | バクテリア / 2次生産 / 溶存有機物 / ブロモデオキシウリジン |
Research Abstract |
現存のバクテリアの2次生産測定は、放射性同位体を用いた手法が使われているため我が国では放射同位体の使用が制限されており、バクテリアの2次生産はその重要性にもかかわらずほとんど報告例がないのが現状である。1990年代にチミジンの類似物質であるブロモデオキシウリジン(BrdU)を使用する手法が確立されたが、それでも現存の方法は、蛍光標識したBrdUの蛍光強度を濃度に変換する時に放射性同位体で標識されたBrdUが必要とされている。そのため本研究では、BrdUの蛍光を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の蛍光検出器を用いて測定する方法の開発を試みた。また従来法との比較のため、霞ヶ浦湖水を用いた培養実験を行い、バクテリアの2次生産の測定を行った。 今年度は、HPLC-MS分析器の精度を高めるためBrdUの代わりに安定同位体を含むアデノシンを用いてバクテリアの2次生産を測定する方法を目指した。アデノシンを使う理由についてであるが、BrdUに比べてアデノシンがはるかにイオン化しやすく、HPLC-MS分析器での測定に向いている物質であると考えられるためである。試薬である15Nデオキシアデノシンを入手し、バクテリアに取り込ませる実験を行い、取り込ませた15Nデオキシアデノシンの抽出並びに単離、そしてHPLC-MS分析器での最適測定条件の検討を行った。測定条件の検討を様々行った結果、現存法よりも感度も精度も高い放射性同位体を全く使用しないバクテリアの2次生産測定法確立の可能性が示唆され、今後の実用化への目途を立てる事ができた。
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