2011 Fiscal Year Annual Research Report
大気微小粒子中炭素成分の炭化補正簡便法の開発と濃度変動評価
Project/Area Number |
22710020
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Research Institution | Center for Environmental Science in Saitama |
Principal Investigator |
長谷川 就一 埼玉県環境科学国際センター, 大気環境担当, 主任 (00391144)
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Keywords | 環境計測 / 大気エアロゾル / 元素状炭素 / 有機炭素 / 熱分離法 / 熱分離・光学補正法 |
Research Abstract |
本研究における炭素成分の分析は、CHN計(Yanaco、MT-5)を用いた熱分離法及び熱光学式炭素分析計(DRI、Model 2001)を用いた熱分離・光学補正法により行った。いずれもOCの分析条件はHe雰囲気550℃であり、DRIでは反射光によって炭化補正した。前年度に試作した、反射光強度を測定する装置を用いて、CHNによる分析における分析前からOC分析後の反射光強度の低下に対応する炭素量の関係式を検討したが、これでOCから炭化した炭素量を推定するのは難しいと考えられた。しかし、反射光強度はフィルター上のEC量が多いほど小さくなっており、両者の相関は良好であったことから、この関係を使って分析前の反射光強度を測定することでECを推定した。関係式から算出したEC(Opt-EC)とCHN計によるEC(CHN-EC)を、DRIによって測定されたEC(DRI-EC)と比較した。CHN-ECはばらつきが大きく、DRI-ECよりも過大な傾向であるとともに、低濃度試料についてはマイナスになるものが出るのに比べ、Opt-ECはDRI-ECと比較的よく一致し、低濃度試料についてもマイナスになるものは少なかった。このため、作成した関係式から求めたECは、従来の熱分離法によるECよりも妥当であることが示唆された。ただし,フィルター上のEC量が多い試料には適用することができないことも判明した。このため、濃度変動評価に用いる予定だった試料の多くが適用不可であったが、適用可だった試料の測定結果から、初冬季(11月後半~12月前半)のOpt-ECの経年変化は減少傾向(2002年と2008年との比較で4割程度減少)を示す一方、CHN-ECはばらついており減少傾向は見えなかった。ディーゼル車運行規制などに伴うECの減少が全般的な傾向として知られているが、Opt-ECはそれと整合していた。
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Research Products
(1 results)