2010 Fiscal Year Annual Research Report
粘土資源利用に伴うダイオキシン類の環境動態と天然生成メカニズム解明に関する研究
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22710021
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Research Institution | Center for Environmental Science in Saitama |
Principal Investigator |
堀井 勇一 埼玉県環境科学国際センター, 化学物質担当, 主任 (30509534)
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Keywords | ダイオキシン類 / 天然生成 / カオリン粘土 / ボールクレイ / 窯業 / ダイオキシン類インベントリ |
Research Abstract |
平成22年度は、ダイオキシン類自然発生源の国内分布調査を行った。国内各地で産出するカオリン質及び関連粘土を16地域から70検体収集し、ダイオキシン類の測定を行った。毒性等量(TEQ)の平均値及び濃度範囲は、それぞれ6.6pg-TEQ/g,0.00068~47pg/gであり、全体的に堆積性粘土が陶石よりも高い傾向にあった。粘土の生産量とTEQからダイオキシン類のインベントリを算出したところ、木節・蛙目粘土由来のダイオキシン類は、実濃度ベースで1.3kg/yr、TEQベースで4.7g-TEQ/yrと見積もられた。環境省が推計した平成21年度ダイオキシン類の国内排出量(大気)は158~161g-TEQ/yrであり、カオリン粘土は全体の2.9%に相当する。世界各国カオリン粘土のインベントリは、全体で667kg/yr,2449g-TEQ/yrと推定されており、特に米国のボールクレイは、TEQ及び生産量ともに高く、総TEQの73%を占める。国内カオリンの全体への寄与は0.2%程度と非常に低く、国内では、米国ボールクレイにみられる深刻なダイオキシン汚染は確認されないことがわかった。上記研究結果について、国内外の学会発表3件,雑誌論文1報を達成しており、引き続き情報発信を行っていく。また、カオリン粘土中ダイオキシン類の起源を解明するため、日本大学、愛知大学の協力を得て瀬戸市周辺に分布するカオリン質粘土堆積層の現地調査や試料採取を行っており、次年度以降分析を進めていく予定である。
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Research Products
(5 results)