2012 Fiscal Year Annual Research Report
放射性核種を用いた海洋中層における有機炭素粒子沈降量の見積り
Project/Area Number |
22710025
|
Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
川上 創 独立行政法人海洋研究開発機構, むつ研究所, 技術研究主任 (20415988)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 生物ポンプ / POC沈降量 / Po-210 / 北太平洋西部亜寒帯循環域 / 中層 |
Research Abstract |
海洋には、溶け込んだ二酸化炭素が表層で植物プランクトンの光合成により有機炭素粒子(POC)に固定され、それが深海へ沈降する、いわゆる「生物ポンプ」と呼ばれる過程が存在する。一方、表層から沈降したPOCは、中層(100~1000 m)において分解過程の影響を強く受けることにより、その沈降量が深度増加と共に大きく減少する。本研究では、天然放射性核種Po-210及びPb-210をトレーサーとして用いて、海洋中層におけるPOC沈降量の鉛直変化を定量的に把握することを目的としている。 当該年度では、上半期に北太平洋西部亜寒帯循環域の観測点K2 (47°N, 160°E)において6~7月に観測を行い、夏季における試料採取及び分析を行った。これにより、前年度までの分も含めて、観測点K2で秋冬春夏計5回実施した観測で、Po-210及びPOCの水深1000mまでの鉛直分布の季節変化を把握し、年間を通しての海洋中層におけるPOC沈降量の鉛直変化を解析するのに資する試料とデータセットが得られたと考えられる。さらに、前年度以前から保管していたPb-210試料の分析を行い、北太平洋西部亜寒帯循環域中層でのPOC沈降量について解析を行った。 下半期では、本研究に関連するセジメントトラップ実験にて採取した沈降粒子試料の分析を行い、海洋中層における沈降粒子の鉛直的な組成変化を把握するためのデータ取得を行った。 上記の結果から、観測点K2の1000mにおけるPOC沈降量は、60~105 mg/m2/dの範囲で、冬春で低く夏秋で高いことが分かった。また、年間におけるPOC沈降量は、約31 g/m2/yと推定された。 年度末に、上記の成果を日本海洋学会春季大会にて発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|