2011 Fiscal Year Annual Research Report
より簡易・迅速な石綿分析手法の開発~アジア諸国での石綿被害を予防するために~
Project/Area Number |
22710033
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Research Institution | The Institute for Science of Labour |
Principal Investigator |
飯田 裕貴子 財団法人 労働科学研究所, 研究部, 研究員 (10442568)
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Keywords | 環境分析 / 岩石・鉱物・鉱床学 / 解析・評価 / ナノ材料 / 石綿 |
Research Abstract |
・具体的内容 本年度は、分散染色法で作製した産地別クリソタイル6種(浸液n_D^<25℃>=1.550)と、アモサイト、クロシドライト(浸液n_D^<25℃>=1.680、1.700)の標本の温度を25±5℃で変化させ、約1℃間隔にデジタル写真の撮影を行った。現在、デジタル写真中における石綿の分散色を「色度計測ソフト(RGBreader、窪田悟教授開発(成蹊大学理工学部 エレクトロメカニクス学科))」を使用して、解析を行っている。解析は、次の3つの手順に沿って行っている。 1.石綿の分散色をRGB(red,green,blue)色度図(以下、色度図と記す)上での、相当するxy座標に変換する。 2.得られたxy座標から光源を通る直線を引き、直線と交わった位置より、分散色の波長を算出する。 3.分散染色法で作製した標本の温度変化に伴って、波長がどのように変化するかを確認する。 ・意義、重要性 本研究は、日本を含め、アジア諸国で簡易・迅速に石綿を分析することが出来る手法の確立を目的としている。 従来の位相差・分散顕微鏡を用いる分散染色法では、1試料に対して屈折率の異なる浸液毎に標本を複数作製し、複数の標本を観察し、適合波長の傾きと粒子の形状から識別を行っていた。本研究では、分散染色法で使用する浸液が温度の変化に伴って屈折率も変化することに着目し、1試料から1つの標本のみで石綿の識別を行う方法について検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年は「分散染色法で使用する浸液の温度と、石綿の分散色の関係」を確認し、来年度に「標本の温度変化(=浸液の屈折率の変化)と分散色の変化の関係から、石綿の種類を識別する手法についての検討」を行う予定であったが、既に25±5℃での分散色変化についてのデータ取りが終わり、画像データの解析を行い始めているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策 ・画像解析ソフトを使用して画像データのRGB色度図上での変化を分析し、肉眼では確認できない程度の分散色の変化から、石綿の種類の定性を行う手法について検討する。
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