2010 Fiscal Year Annual Research Report
陸域における微生物による嫌気的メタン酸化プロセスの解明
Project/Area Number |
22710035
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
竹内 美緒 独立行政法人産業技術総合研究所, 地圏資源環境研究部門, 主任研究員 (20357403)
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Keywords | 陸域地下圏 / 嫌気的メタン酸化 / 古細菌 / メタン / 地球温暖化ガス / 微生物 |
Research Abstract |
メタンは主要な地球温暖化ガスであり,二酸化炭素と同様に近年大気中濃度が増加しつつあるガスである。そのため,地球規模でのメタンの循環プロセスの解明は重要な研究課題である。従来微生物による嫌気的メタン酸化プロセスは主に海底堆積物中で生じていることが知られていた。特に嫌気的メタン酸化古細菌の報告はこれまでほぼ海底堆積物に限られており,陸域環境での実態は明らかになっていなかった。平成22年度までの研究により,関東平野の地下圏(沖積層)内において,微生物による嫌気的メタン反応が生じていること,またそれを担う微生物が,海底に存在する嫌気的メタン酸化古細菌群と系統的に異なることを分子生物学的手法により明らかにした。さらに,嫌気的メタン酸化反応に関与すると考えられるmcrA遺伝子についてもこれまで知られていたものと異なるものが存在することが明らかになった。 研究の次の段階は,実際にどの程度嫌気的メタン酸化反応が陸域地下圏におけるメタンのフラックスに影響しているかを定量的に評価することである。そこで,新たに新鮮な試料を掘削により採取する計画を立てていたが、現場の都合上,試料採取時期が遅れた事から試料の解析を23年度に繰り越した。23年度の繰越事業として,実際の陸域地下圏における微生物によるメタン生成活性ならびに嫌気的メタン酸化活性の測定に着手した。メタン生成活性の測定には放射性同位体ラベルした重炭酸ならびに酢酸を用い,嫌気的メタン酸化活性の測定には安定同位体ラベルしたメタンを用い,それぞれ培養系を準備した。残りの期間ではこれらの分析ならびにデータ解析を実施する予定である。
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