2012 Fiscal Year Annual Research Report
亜鉛等重金属の存在形態を考慮した生態リスク評価手法の開発と適用に関する研究
Project/Area Number |
22710036
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
内藤 航 独立行政法人産業技術総合研究所, 安全科学研究部門, 主任研究員 (10357593)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 金属 / 水環境 / 生態リスク / バイオアベイラビリティ / 化学平衡モデル / DGT |
Research Abstract |
本研究の目的は、地域特異的な水質要因(例えば硬度、懸濁物濃度、pH)の違いを考慮して、亜鉛等重金属類の水生生物へのリスクを定量的に評価する技術の開発と現実的なリスク管理のあり方を提案することである。これまでの調査では、亜鉛等重金属の汚染レベルが比較的高い地域と下水処理施設周辺河川を対象として、硬度や有機物濃度等の水質要因の異なる複数の地点(休廃止鉱山周辺と都市河川)において環境水のサンプリングをして、重金属類の濃度(生物利用可能量含む)と様々な水質項目の測定を行った。生物利用可能量の把握には、特殊な膜を通過できる形態の金属のみを測定する薄膜拡散勾配(DGT)法と金属化学平衡モデル(WHAM:Windermere Humic Aqueous Model )を用いて、両者の比較検証を行った。その結果、金属ごと、地点ごとに生物利用可能量に違いが見られ、各金属の生物利用可能量と溶存有機炭素の関係より、重金属の生物利用性に対して水中に存在する有機物が重要な役割を果たしていることが確認された。河川における生物利用可能量の把握は、DGT法と金属化学平衡モデルの結果が必ずしも合致せず、現段階では両方を相互補完的に使用していくことが必要と考えられた。このような知見を踏まえ、重金属の汚染レベルが高い水域において、亜鉛と銅を事例に、生物利用可能量を考慮した水生生物へのリスクを評価したところ、水域によってはリスクの大きさに2倍程度の差が生じることがわかった。これは、各金属と有機錯体を形成する有機物の種類とその錯体生成能の違いに起因していると考えられた。このように、生物利用可能な金属濃度は河川の水質状況に依存するので、日本の河川において実態に即した評価のためには、他の水質項目も合わせて、金属の生物利用性や毒性を考慮することが必要であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)