2010 Fiscal Year Annual Research Report
衣服・粒子への吸脱着を介した防虫剤用途の化学物質の動態解析および曝露評価
Project/Area Number |
22710037
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
篠原 直秀 独立行政法人産業技術総合研究所, 安全科学研究部門, 研究員 (50415692)
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Keywords | 影響評価手法 / 曝露評価 |
Research Abstract |
チャンバーの中に吸着の調査対象とする衣類を設置した(何も設置しない場合についても試験を実施=ブランク測定)。その後パーミエーションチューブ内に固体のp-DCBを設置し気体を発生させ、純空気と混合してパーミエーター内で一定濃度の気体としたものをチャンバーの中に一定流量で導入した(吸着の挙動をみる)。導入量は一般的な室内の換気回数を目安に設定。チャンバー出口側で排出される空気を一定時間ごとにTenaxチューブで捕集した。 一定時間経過後、p-DCB混合気体の導入をやめ、今度は同じ流量の純空気をチャンバー内へ導入し(脱着の挙動をみる)、上記と同様に一定時間ごとの捕集を行った。 サンプリングを行ったチューブはTD-GC/MSで分析し、p-DCBの定量を行った。結果を理論式にフィッティングさせ、吸着速度定数k_a脱着速度定数k_dなどを求めた。 いずれの試験結果についても、吸着および脱着試験開始から数時間の測定値はよく再現された。実験結果をもとにフィッティングを行った結果、ブランク試験では吸脱着の測定対象材料がステンレスのみであるため、内部拡散はないものとみなし、3つの理論式によるフィッティングを行った。Freundlich吸着等温式によるフィッティングは最適化することができなかったが、その他二式(吸脱着の基本的な式,吸着残サイトの項目を追加した式)では、同程度の定数が得られた。チャンバーのブランクテストでは、k_aとしては、0.0032±0.0016m/h、k_dとしては0.11±0.097/hという値が得られた。
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