2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22710053
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 晃弘 京都大学, 放射線生物研究センター, 研究員 (70423051)
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Keywords | ゲノム / 放射線 / 蛋白質 / 核酸 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
DNA二重鎖切断(DSB)の相同組換え修復経路で中心的な役割を果たすRAD51蛋白質が、DSBの初期応答因子NBS1と結合することの生物学的意義を明らかにするという本研究の目的のため、RAD51との結合に必要なNBS1の領域を各種欠失型NBS1を用いた免疫沈降により解析した。その結果、RAD51はNBS1のC末端に結合することが明らかとなった。NBS1は常にMRE11、RAD50とともに安定な蛋白質複合体(MRN複合体)を形成して働いていると考えられているが、MRE11はNBS1のC末端に結合することが知られている。この領域を欠失させたNBS1を作製して免疫沈降を行った結果、MRE11との結合だけでなくRAD51との結合も見られなくなったため、NBS1とRAD51との結合はMRE11を介して行われていることが示唆された。そこで各種変異型MRE11を作製し、NBS1の場合と同様に、免疫沈降によりRAD51との結合に必要な領域を解析した。その結果、MRE11の特定の領域にRAD51が結合することが明らかとなった。さらに、NBS1やRAD50とは結合せずRAD51とは結合出来るMRE11断片の作製にも成功した。この結果は、MRE11とRAD51との結合にNBS1やRAD50が必要でないことを示している。したがって、MRN複合体とRAD51との結合は、NBS1やRAD50ではなくMRE11を介して行われていると推測される。本研究の目的達成のためには、RAD51との結合能だれが失われたMRN複合体を作製し、その機能を解析する必要があるが、本年度の研究によって得られた結果がまさにそれを可能にさせるものであり、今後の解析の基盤が確立されたと言える。
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Research Products
(5 results)