2011 Fiscal Year Annual Research Report
DNA修復タンパク質FANCD2の中心体複製制御における機能解析
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22710054
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
島田 幹男 京都大学, 放射線生物研究センター, 研究員 (20548557)
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Keywords | FANCD2 / 中心体 / 発癌制御 / DNA修復 / 染色体異常 |
Research Abstract |
昨年度に引き続きFNACD2と中心体制御の研究を本年度も実施した。 ファンコニ貧血は先天性の再生不良性貧血、高発癌性を示す重篤な遺伝病である。原因タンパク質であるFANCD2が如何に発癌に寄与するかを考察し、申請者らはFANCD2と中心体の関係について検討を行った。中心体は細胞分裂の際に微小管の形成中心として機能し、正確の染色体の分配に必須の細胞小器官である。中心体の機能異常は染色体異常を惹起するため、中心体異常は発癌の原因の一つであると考えられている。昨年度までの本申請研究において申請者らは、FANCD2が中心体の微小管形成機能を制御するのではないかと考え、微小管再構成実験を行った。その結果siRNAによりFANCD2をノックダウンした細胞ではコントロール細胞と比較して微小管が過形成されたことから、FANCD2は微小管が過剰に大きくならないように抑制する機能があることが示唆された。本年度は昨年の研究に引き続きEANCD2が微小管の再構成を制御する際に必要なタンパク質の検索及び解析を行った。CG-NAPは450kDの巨大タンパク質で中心体とゴルジ体に局在している。CG-NAPはγ-tubulin ring complex(γ-TuRC)を中心体に集積させることにより微小管の再構成を制御する事が知られている。FANCD2をノックダウンした細胞ではCG-NAPの中心体へ過剰に集積する事が見出された。この結果はEANCD2がCG-NAPの中心体への抑制し、同時にγ-TuRCの中心体への集積を抑制する事により微小管の過剰構成を抑制していると考えられる。以上の結果はFANCD2欠損が中心体制御異常につながり発癌の原因になる可能性を示唆していると考えられる。
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Research Products
(5 results)