2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22710058
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
吉田 周平 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (20363997)
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Keywords | 環境 / 放射線 / 受精卵 |
Research Abstract |
X線照射したマウス受精卵の発生 前核期と8細胞期のマウス受精卵に0~5GyのX線を照射し、発生の観察を行った。8細胞期受精卵では中線量(1~3Gy)以上のX線照射では胚盤胞が膨張して透明帯の外に出る「ハッチング」率が低下し高線量(5Gy)のX線照射では異常卵が増加するのに対し、前核期受精卵では高線量(5Gy)のX線照射によって異常卵は増加するが中線量以上のX線照射による「ハッチング」率の顕著な低下は観察されなかった。 マウス受精卵におけるDNA修復遺伝子の局在 X線照射したマウス受精卵にDNA修復関連遺伝子の抗体を用いた免疫染色を行った。X線照射によりDNA損傷修復に必要なヒストンH2AXのリン酸化が観察された。 X線照射したマウス受精卵の着床、胎児への発生 0~5GyのX線照射したマウス受精卵を偽妊娠マウスの子宮へ移植し、帝王切開によりその受精卵の着床と胎児への発生の観察を行った。中線量のX線照射では吸収胚の割合が増加して胎児の数が減少し、高線量のX線照射では着床率自体が低下した。 今後は、(1)X線照射したマウス受精卵の発生や異常卵の生じる段階や時期の詳細な観察、(2)他のDNA修復関連遺伝子の発現や局在の変化、(3)「ハッチング」の影響を取り除くため透明帯を除去したX線受精卵の着床と胎児への発生、これらの解析から、X線照射によるDNA損傷がマウス着床前期受精卵に及ぼす影響を明らかにする。
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Research Products
(1 results)