2010 Fiscal Year Annual Research Report
DNAトポイソメラーゼIとDNA修復のクロストークの網羅的解析
Project/Area Number |
22710061
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
堀端 克良 国立医薬品食品衛生研究所, 変異遺伝部, 主任研究官 (40402995)
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Keywords | ゲノム / プロテオーム / DNA修復 / 放射線 / 突然変異 |
Research Abstract |
DNA topoisomerase I(Top1)は通常DNAに共有結合して一本鎖DNA切断(SSB)を入れることでDNA複製や転写の際に生じるDNA超ラセンを解消し、SSBを閉じてDNAから解離するが、何らかの原因でSSBを閉じることができなくなるとTop1自身がDNAに共有結合したままになり、内在性DNA損傷のように振る舞うことが知られる。このようにTop1の酵素活性中に形成される"Top1-DNA間共有結合体"(Top1-cc)は、Top1阻害剤であるCPTにより形成されることが知られている。紫外線を照射した培養細胞のTop1-ccを解析した結果、CPTのみならず紫外線照射によってもTop1-ccが誘導されることを確認した。次に、細胞内Top1をsiRNAによりノックダウンした場合の紫外線照射細胞生存率を解析した結果、コントロール群と比べて、Top1をノックダウンした細胞では生存率の上昇が確認できた。これは、紫外線照射によってこれまでに知られるCPDなどの紫外線DNA損傷のみならず、Top1-ccというDNA損傷が生じ、それによっても細胞死が引き起こされることを意味する。一方、siRNAによるノックダウンの実験ではDNA損傷としてのTop1-ccの可能性以外に、Top1の機能そのものが抑制されることで紫外線照射による生存率が上昇した可能性も考えられるので、その詳細は下記相互作用因子の同定結果を踏まえ、次年度解析する。 他方、Top1の細胞内の機能の詳細を知るために、Top1タンパク質複合体をタンデムアフィニティー法により精製した。その結果、Top1は複数のタンパク質と相互作用していることを明らかにした。今後、それぞれの相互作用因子の詳細を受託解析による質量分析で同定する予定である。
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Research Products
(7 results)