2012 Fiscal Year Annual Research Report
重金属による紫外線発がんの増強ーヒストン修飾から解くDNA損傷生成・修復率の変化
Project/Area Number |
22710065
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
豊岡 達士 静岡県立大学, 環境科学研究所, 助教 (40423842)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 重金属 / 紫外線 / 皮膚発癌 / ヒストン修飾 / クロマチン構造 / DNA損傷 / DNA修復 |
Research Abstract |
近年の皮膚癌の罹患率は1980年代に比べ、2-3倍に増加している。皮膚癌罹患率上昇の主原因は、一般的にオゾン層破壊による紫外線増加であると考えられているが、我々はそれに加えて、環境化学物質と紫外線の複合作用が寄与しているのではないかと考えている。 紫外線によって誘導されたDNA損傷を効率的に修復することは皮膚発癌を防ぐ上で重要である。近年、効率的なDNA修復の実行に、ヒストン修飾が寄与することが明らかとなった。例えば、紫外線DNA損傷部位のヒストンをアセチル化することで、クロマチン構造が緩み、修復分子のリクルートを助けることが知られている。一方、環境化学物質によるヒストン修飾変化は、紫外線DNA損傷誘導時における正常なヒストン修飾を攪乱し、損傷修復に影響を与える可能性がある。我々は化学物質の中でも特に重金属が、紫外線と複合作用することで、紫外線誘導DNA損傷の生成率及び修復率を変化させ、ひいては皮膚発癌を増強するのではないかと考え研究に着手した。 Cd、Cr、Se、Pb、Cu、Ni、Co、Zn、Agの金属をヒト皮膚角化細胞HaCaTに作用させ、ヒストン修飾変化を検討した結果、種々のヒストン修飾の中でも得にリン酸化が種々の金属で強く誘導されることが確認され、紫外線曝露時に、なんらかのヒストン修飾攪乱作用を示すものと推察された。実際にこれら金属種と紫外線を複合作用すると顕著な生存率の低下が観察され、紫外線誘発DNA損傷の修復攪乱が示唆された。さらに興味深いことには、ある種の金属存在下で紫外線Bを複合作用するとCPDや6-4 PPの生成量自体が顕著に増加した。これらの結果は、金属と紫外線の複合作用が皮膚発癌亢進の原因となりうることを強く示唆するものであった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)