2011 Fiscal Year Annual Research Report
Anammox菌特有蛋白質の機能解明とその遺伝子を利用した反応モニター手法の開発
Project/Area Number |
22710078
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
平 大輔 崇城大学, 生物生命学部, 助教 (00569890)
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Keywords | anammox / ヘム蛋白質 / 嫌気性アンモニア酸化 / 脱窒 / 窒素除去 |
Research Abstract |
排水・環境水中からの効率的な窒素除去法として期待されているanammox排水処理プロセスの安定管理法の構築を目指して、1.anammox菌が特有にもつヘテロ2量体ヘム蛋白質を対象としてanammox反応の詳細な理解を進め、2.本蛋白質の遺伝子をターゲットとした遺伝子レベルでのanammox反応モニター法を開発することを目的とした。本年度は、昨年度得られた知見をもとにanammox反応におけるヘテロ2量体ヘム蛋白質の機能を考察するとともに、本蛋白質の単結晶化に成功し、X線結晶構造解析により、その新奇な立体構造を解明することが出来た。これにより、ヘテロ2量体ヘム蛋白質のヘムへのシステイン配位が立証され、さらに両サブユニット間における強固な相互作用の要因が明らかとなった。 さらに、ヘテロ2量体ヘム蛋白質がanammox反応において最も重要な反応であるヒドラジン合成反応に関与していることが判明し、本蛋白質の機能解明に関して当初の予想を上回る成果を上げることができた。本蛋白質はシステインが配位したヘムを有することで、非常に低い酸化還元電位を有し、これによりヒドラジン合成酵素とともに機能し、ヒドラジン合成反応に重要な役割を担っていると考えられた。また、昨年度構築済みの本蛋白質の発現系を用いて、配位システインの部位特異的変異体の作成にも成功し、今後さらに機能解明を進めることができると期待される。
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