2011 Fiscal Year Annual Research Report
無線信号を利用した高効率エネルギーハーベスティング技術の研究開発
Project/Area Number |
22710079
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
安 昌俊 千葉大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90453208)
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Keywords | 無線電力伝送 / エネルギーハーベスティング / 環境発電 / 高効率蓄電技術 |
Research Abstract |
本研究では、空間上に無数に飛び交う携帯電話等の無線信号から効率良く発電するエネルギーハーベスティング技術とアクティブRFIDタグ、ZigBee、情報家電のリモコン送信機、自動車のキーレスエントリー等の小型無線機器など、産業用機器から一般家庭用機器まで多種多様な分野への利用可能な高効率蓄電技術の確立を目的とする。この目的を実現するため、平成22年度では環境発電を行うレクテナの設計を行った。平成23年度では前年度の設計と測定結果をもとに更に設計を見直し、高効率発電を行う設計を行った。まず、検波回路は基板とダイオードを高効率化し、低い受信電力でも効率よく発電できるように改良を行った。結果的に、様々な周波数においてRF-DC変換効率は入力電力により異なるものの全般的に入力電力8dBmの時には2.1-2.17GHzにおいて56%の変換効率を示した。また、入力電力11dBmの時には2.1-2.17GHzにおいて60%の変換効率を実現することができた。 受信電力の出力は、整流・昇圧部のプリント基板にSMAコネクタで接続し、測定できるように改良を行った。整流部は、受信周波数に同調した効率の良い半波倍電圧整流回路を用いて整流を行った。整流して得られた直流電力は、電気二重層コンデンサと電解コンデンサからなる平滑コンデンサによって、蓄電し平滑される。昇圧部は、フライバック方式のDC-DCコンバータ回路であり、平滑コンデンサの電圧が1.0V以上になると起動して3.3Vの安定化電圧を出力する。一旦起動した後は、電圧が0.7vに低下するまで昇圧動作を行う。充電可能なNi-HM電池は、受信電力を長時間に渡って充電するときや3.3Vの出力電圧を試験的に発生させたいときなどに電池ホルダに装着して使用するように設計し、試作を行った。試作したエネルギーハーベスティング措置は無線信号の場所依存性により、発電効率が変わる問題がありますが、測定性能からZigBee等の小型無線機器の電源として利用可能であることを確認した。
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