2012 Fiscal Year Annual Research Report
植物由来芳香族ヒドロキシ酸の重合による高強度・高耐熱性プラスチックの創製
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22710084
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
石井 大輔 龍谷大学, 理工学部, 助教 (70415074)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 芳香族ヒドロキシ酸 / 重縮合 / ポリエステル / 液晶性 / 熱可塑性 / カフェ酸 / フェルラ酸 / せん断配向 |
Research Abstract |
本年度はポリ(カフェ酸)(PCA)の合成における二段階の反応(カフェ酸のアセチル化およびアセチル化生成物の減圧加熱)での生成物の分子構造解析および、加熱せん断印加型ホットステージ付偏光顕微鏡によるPCAのせん断流動場における配向挙動の解析を行った。MALDI-TOF-MS、1H NMR、GPC測定により、カフェ酸のアセチル化反応による生成物は少量のカフェ酸オリゴマーを含むジアセトキシカフェ酸であることが明らかとなった。さらにこのカフェ酸オリゴマーは直鎖状の分岐構造を形成している可能性が高いことが示唆された。一方アセチル化カフェ酸の減圧加熱生成物のMALDI-TOF-MS分析においては、直鎖構造を示唆する周期的なピーク間隔以外にも分岐構造の存在を示唆する特定のピーク間隔が観測された。 せん断流動場におけるPCAの配向挙動の解析を行ったところ、ガラス転移点より上の温度である120℃から150℃においてせん断による流動配向が観測された。120℃においてはずり流動停止後配向が消失するまでに長時間を要した一方、150℃においてはせん断印加下においても極めて速い配向緩和が観測され、温度による主鎖の運動性の違いが配向形成および緩和挙動に大きく影響することが明らかとなった。 昨年度までに明らかとなった、PCAの重合条件と熱物性および機械的物性の関連に関する研究結果および、上述のPCAの分子構造解析に関して、第244回アメリカ化学会における口頭発表および学術誌への論文投稿(ACS Symposium Series)を行い掲載決定となった。 フェルラ酸をモノマー成分とするポリエステルについても、グリコール酸を予め重縮合したオリゴグリコール酸とアセチル化フェルラ酸を種々の組成比で混合して重縮合を行うことで、重量平均分子量1万を超えるフェルラ酸・グリコール酸共重合体の合成に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)