2010 Fiscal Year Annual Research Report
金属クラスターと半導体界面における光電荷分離に基づく光機能デバイスの開発
Project/Area Number |
22710100
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂井 伸行 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (70431822)
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Keywords | 金属クラスター / 半導体 / 光電荷分離 / 光電変換 / 光触媒 |
Research Abstract |
直径が2nm以下の金属クラスターは、ナノ粒子やバルクの金属とは異なり、離散的な電子構造を持ち、可視域~近赤外域に特徴的な光吸収を示す。本研究では、金属クラスターを光増感剤とした色素増感太陽電池や可視光応答型光触媒、光磁気メモリなどの光機能デバイスの開発を目的とする。平成22年度はAu25クラスター担持酸化チタンの光電荷分離を利用した可視光応答型光触媒の特性評価と、配位子や元素、構成原子数の異なる金属クラスターの合成と光電気化学への応用について検討した。 可視光応答型光触媒の特性評価では、Au25クラスター担持酸化チタンが可視光(500-750nm)照射下において光触媒作用を有し、ヒドロキノンやカテコールなどのフェノール誘導体やフェロシアン化カリウムといった外圏型の電子授受を示す電気化学活性種を酸化できることがわかった。一方、銀(I)イオン、銅(II)イオン、溶存酸素を還元できることがわかった。光触媒反応の作用スペクトル形状がAu25クラスター水溶液の吸収スペクトル形状と一致したことから、Au25クラスター担持酸化チタンはAu25クラスターの光吸収に基づいて光触媒作用を示し、波長860nmの近赤外光にも応答して光触媒反応を誘起できることがわかった。 配位子や元素、構成原子数の異なる金属クラスターの合成と光電気化学への応用に関する検討では、グルタチオンを配位子とするAu以外の金属元素(Ag、Cu、Pt、Pd)のクラスターを合成することに成功した。さらに、合成したクラスターをそれぞれ担持した酸化チタン電極が可視光に応答して光電流や光電位を生成することを見出した。より安価な光機能デバイスへの展開が可能になった。
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Research Products
(6 results)