2012 Fiscal Year Annual Research Report
金属クラスターと半導体界面における光電荷分離に基づく光機能デバイスの開発
Project/Area Number |
22710100
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂井 伸行 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (70431822)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 金属クラスター / 半導体 / 光電荷分離 / 光電変換 / 光触媒 |
Research Abstract |
直径が2 nm以下の金属クラスターは、離散的な電子構造を持ち、可視域~近赤外域に特徴的な光吸収を示す。本研究では、金属クラスターを光増感剤とした色素増感太陽電池や可視光応答型光触媒、光磁気メモリなどの光機能デバイスの開発を目的とする。平成24年度は、金属クラスターの電子構造を解析するための新たな手法の開発やAgクラスターの光電変換特性の評価、Auナノ粒子によるAuクラスターの光電変換特性の向上について検討した。 電子構造の解析手法の開発では、さまざまな酸化還元電位を持つ電子ドナーの存在下でAu25クラスターを担持した酸化チタン電極の光電流応答の有無を検討し、電子準位の決定に成功した。また、電子構造のクラスターサイズ依存性も明らかにした。電子構造を明らかにすることは光機能材料の設計を行う上で重要であり、本研究の成果により従来の電気化学的な手法や計算では解析が困難であった金属クラスターの電子構造を解析できるようになった。 Agクラスターの光電変換特性の評価では、電気泳動により構成原子数に応じて分離したAgクラスターについて検討した。Ag15クラスターやAg29クラスターにおいて、高い内部量子収率で光電流を生成することがわかった。また、照射光の波長選択的にAgクラスターをエッチングすることに成功した。金属クラスターのさまざまな物性は構成原子数に強く依存するためサイズ制御が重要であるが、本研究の成果では光電気化学的な手法による新たなサイズ制御方法を示すことができた。 Auクラスターの光電変換特性の向上では、Auナノ粒子の局在プラズモン共鳴に基づく増強電場によりAuクラスターの光吸収を高め、光電流を増大させることに成功した。また、AuクラスターとAuナノ粒子の距離は3-10 nmが最適であることを明らかにした。本研究の成果は、より高度な光機能デバイスの開発につながると期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)