2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22710111
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
前田 泰 独立行政法人産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, 主任研究員 (30357983)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 固体高分子型燃料電池(PEFC) / 電極触媒 / 走査プローブ顕微鏡 / 原子間力顕微鏡 / フォースカーブマッピング / 液中 / 錯体触媒 / HOPG |
Research Abstract |
燃料電池、特に低温で使用する固体高分子型燃料電池(PEFC)において、高性能電極触媒の開発は実用化に向けた重要な技術的課題である。そのためには、触媒/担体ナノへテロ界面の理解が必要不可欠となる。本研究では、モデル電極を対象として、固液界面における走査プローブ顕微鏡測定を行い、ナノ領域での電極/触媒/溶液界面の性質を調べる。 固液界面の性質を調べるためには、原子間力顕微鏡によるフォースカーブマッピング(FCM)測定が効果的である。昨年度までに、SIS-AFMモードによるFCM測定技術を確立したが、このモードでは測定時間が長いことが運用上の課題として残っていた。そこで本年度は、位相フィードバックモードを新たに開発することで測定時間の短縮を図った。本モードでは、探針-試料間距離に変調をかけフォース信号の位相変化を検出する。これにより液相からの粘性抵抗の影響を排除し、高速なFCM測が定可能になった。具体的には、1画面当たり90分かかっていたものが、5分にまで短縮でき、実用的な測定が可能になった。さらに本モードでは、従来よりも小さいフォースで測定することが可能であり、結果として面内分解能も向上することが明らかになった。 開発した測定モードをRh錯体触媒に適用した。この触媒は研究代表者が所属する研究部門で開発されたものであり、有機分子系PEFC触媒としては最も実用化が期待されるものの一つである。測定の結果、担体であるHOPG上に凸構造が観察された。フォースカーブ情報を用いて詳細に解析したところ、この構造は周囲に比べて変形しやすい(軟らかい)ことが明らかになった。これは液相または気相分子の粗密にナノレベルのむらがある可能性を示唆しており、こうしたナノレベルの分布構造は電極触媒の特性に重要な影響を与えるものと予想されることから、実際の触媒開発に対して重要な知見を与えるものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)