2010 Fiscal Year Annual Research Report
体内での核酸の送達・可視化・定量を目指した金ナノ粒子内包型デバイスの設計と創製
Project/Area Number |
22710114
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大石 基 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (90419242)
|
Keywords | ナノデバイス / 金ナノ粒子 / siRNA / ナノゲル粒 / 送達 / 可視化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、体内で安定にsiRNA(核酸医薬)をガン組織・細胞まで送達し、かつ可視化・定量できるナノデバイスを創製することである。具体的には、本申請者が独自に開発した金ナノ粒子を内包したPEG化ナノゲル粒子と末端にチオール基を有するsiRNAとの複合化することによりナノデバイスを構築する。さらに、このナノデバイスは1粒子あたりに金ナノ粒子を数十個有することでX線CTによる造影効果が高いためガン組織への送達を可視化・定量するのに優れ、かつ細胞質および外部刺激(パルスレーザー)で切断可能なAu-S結合によりsiRNAをゲルコアに内包しているため細胞質内で効率よくRNAi効果を導くことができるシステムである。平成22年度は、1)金ナノ粒子の内包個数が異なるPEG化ナノゲル粒子の調製および2)金ナノ粒子を内包したPEG化ナノゲル粒子のX線造影効果を検討した。その結果、PEG化ナノゲル1粒子あたりの金ナノ粒子の内包個数は、N(ナノゲル粒子のアミノ基のモル数)/Au(金イオンのモル数)比が大きくなるにつれ減少し、かつ反応温度を高くするにともない増大することが明らかとなった。さらに、金ナノ粒子を内包したPEG化ナノゲル粒子(ナノゲル粒子1つあたり、約20個の金ナノ粒子を内包)のファントム実験からX線造影能を評価したところ、非常に高い造影能を有していることが明らかとなった。このことから、この金ナノ粒子を内包したPEG化ナノゲル粒子は、siRNA(をガン組織・細胞まで送達し、かつ可視化・定量できるナノデバイスとして有用であることが示唆された。
|
Research Products
(4 results)